3歳の長男を粘着テープで緊縛したとして、祖父と母親が逮捕・起訴された事件で、広島県警は7日、長男に対する保護責任者遺棄致傷の疑いで2人を再逮捕し、発表した。2人は容疑を認めているという。 再逮捕されたのは、祖父の熊谷和弘容疑者(52)と母親の瞳容疑者(26)=いずれも広島市南区宇品海岸3丁目。 広島南署によると、2人は昨年10月上旬~今年1月下旬、低栄養状態の長男に十分な食事を与えなかったうえ、医療措置も受けさせずに、意識不明の重体に陥らせて低酸素脳症にさせた疑いがある。男児は1月20日、意識もうろう状態で2人によって病院に運ばれたが、意識不明となって約2カ月間入院した。 男児の当時の体重は約6キロで、同じ年齢の平均を下回っていた。男児は現在、回復しているという。 捜査関係者によると、瞳容疑者は昨年、長男を含む未就学の子3人とともに祖父宅に転居し、日中はひとりで子ども3人の面倒を見ていた。2人は「食べさせようとしたが、食べないことがあった」などと供述しているという。 2人は、昨年9月と10月に騒いだ男児を粘着テープで縛ったとして逮捕罪で起訴され、公判中。検察側は公判で「祖父宅に転居した後、男児が家の壁やドアをたたいたり、夜中に大声を出したりするようになった」と指摘した。(遠藤花、相川智)