新人の一騎打ちとなり、激しい戦いとなっている徳之島・伊仙町の町長選挙。前町長の辞職に伴う選挙で、町長が交代するのは、24年ぶりです。それぞれの訴えや町民の声を取材しました。 伊仙町長選挙に立候補したのは、元高校校長の盛初弘さん(63)と、前の町教育長の伊田正則さん(66)の2人で、いずれも無所属の新人です。 町長選は当初、秋に行われる見通しでしたが、今年3月、大久保明・前町長が任期をおよそ半年残して、6期目の途中で辞職し前倒しされました。 (盛初弘候補・63・無・新)「金を稼いで6000人の町民すべてが幸せになる。現在は所得が大島郡で一番低いと言われているが、あれをなんとかしていきたい」 元高校校長の盛さんは、23年余り続いた大久保町政の刷新を目指しています。物価高騰対策として全世帯への一律給付金の支給や、庁内に「事業推進課」を新設して、新たな財源確保や雇用創出を図ると訴えています。 (伊田正則候補・66・無・新)「教育長という私の大好きな仕事を辞してまで、大久保前町長から引き継いで伊仙町をさらに高めていきたい」 前の町教育長の伊田さんは、大久保町政の継続・発展を掲げています。たい肥を利用しやすいよう粒状にするペレット化の推進を打ち出していて、それを阻んでいるとして「派閥の解消」を訴えています。 前倒しとなった今回の町長選挙。大久保前町長は、過去の町長選で逮捕者が出たことなどに触れ、「選挙までの期間が長くなると過熱するため辞職した」と理解を求めました。ただ、県警によりますとこれまでに事前運動に伴う文書頒布違反など6件の警告が出ていて、4年前の5件をすでに超えています。 異例の選挙戦に候補者は。 (盛初弘候補・63・無・新)「大変驚いてはいるが、おかげさまで私の支持者の皆さんも着々と準備をしていて、安心して選挙戦に入ることができた」 (伊田正則候補・66・無・新)「伊仙町は過去の選挙の感情によって町民が二分した」「少しでもそれを和らげるいまの選挙の環境を改善するには、この方法がベストだろうと判断したことに対しては良かった」