<2025年 関西六大学野球 春季リーグ戦 第7節2回戦:大阪商業大6-1大阪経済大>◇20日◇GOSANDO南港野球場 大阪商業大が連盟記録を更新する7連覇を達成。8大会連続15回目となる全日本大学野球選手権の出場権を手にした。 リーグ戦期間中の4月24日に冨山 陽一監督が道路運送車両法違反で逮捕。高瀬 義和コーチが監督代行を務める非常事態を乗り越えた。 勝てば優勝、負ければV逸というプレッシャーのかかる一戦。先発マウンドに上がったのは前日に104球を投げて完封したエースの鈴木 豪太投手(4年=東海大静岡翔洋)だった。 高瀬監督代行は他の投手を先発させる予定だったが、鈴木が当日の朝に先発を直訴。「自分は低い学年の頃から経験させて頂いて、中継ぎの難しさも知っています。後ろにも板谷(朋生・4年=高知中央)や福島(孔聖・4年=広陵)がいるので、自分が後ろに残るより万全で投げられる2人が残ってくれた方が良い」という考えからだった。 「あまり疲れもなく、昨日よりも気持ちで投げられたと思います」と連投を感じさせない快投を披露。いつものように右横手から小気味の良い投球を続けた。 終わってみれば、104球を投げ、5安打無四球7奪三振で1失点完投。チームを優勝に導き、自身も最優秀選手に輝いた。 これまでは優勝すると、喜びを爆発させていたが、今回はマウンドで歓喜の輪を作ることもなく、淡々と整列。「あくまで通過点。日本一になるためにやっているので」と綛田 小瑛主将(4年=東海大相模)は言う。 冨山前監督に誘われ、鍛えられてきた選手たち。まさかの出来事に動揺はあったはずだが、「代行の高瀬コーチも変わらずにやってくれたので、自分たちは特に何も考えることはなかったです」(綛田)と自分たちにできることに集中して取り組んできた。 選手権での目標は初の日本一。「自分が出てきたら大丈夫と思ってもらえるような投球をしたいです」と鈴木は意気込む。 チェンジアップを武器に昨年の早稲田大戦で好投した左腕の星野 世那投手(3年)、高校時代からスラッガーとして注目を集めてきた真鍋 慧内野手(2年=広陵)、昨秋に1試合3本塁打を記録した春山 陽登外野手(3年=敦賀気比)など有力選手が揃う大阪商業大。全国の舞台でも実力を見せてくれるだろう。