東京メトロ南北線東大前駅(東京都文京区)での切りつけ事件で、警視庁に殺人未遂容疑で現行犯逮捕された無職戸田佳孝容疑者(43)=長野県生坂村=について、東京地検が21日、鑑定留置を始めたことが捜査関係者への取材で分かった。期間は約2カ月間。刑事責任能力の有無などを調べ、起訴するかを判断する。 戸田容疑者の逮捕容疑は、7日夜、駅で電車に乗ろうとした男子大学生(20)の頭部を刃物で複数回切りつけ、殺害しようとした疑いがあるというもの。 捜査関係者によると、動機について、当初は「教育虐待を受け、不登校になり苦労した」と供述。調べを進める中で、「母親に5月初めに数万円振り込んでくれるよう頼んだが、断られた」とも話したという。同庁は、仕送りを受け取れなくなって生活が立ち行かなくなったことが、事件を起こすきっかけの一つになったとみて調べている。(長妻昭明)