フジテレビ完全勝利の株主総会 それでも安心できないオンカジ〝芋づる〟摘発

フジテレビの親会社であるフジ・メディアホールディングス(フジHD)の定時株主総会が25日、都内で行われた。 前年(162人)の20倍以上の3364人が出席し異例の4時間半にも及んだが、最大の焦点となった取締役の選任では、フジHDが提案した11人全員が選任され、大株主である米投資ファンド「ダルトン・インベストメンツ」が提案した12人は全員否決。フジHDの〝完全勝利〟となった。 この日、フジHDおよびフジテレビの社長に就任した清水賢治氏は会見で「取締役案のほか、会社提案議案もすべて決議されました」と報告した後、「フジ・メディア・ホールディングスおよびフジテレビは経営体制が完全に刷新されました」と自信をみなぎらせた。 とはいえ、不穏なムードが漂っていたのも事実だ。株主総会直前の23日にオンラインカジノでの常習的賭博の疑いで、バラエティ制作部企画担当部長の鈴木善貴容疑者(44)が警視庁に逮捕されると、翌24日には山本賢太アナウンサー(27)が賭博容疑で書類送検。バラエティー部門のエース社員と、局の顔となるアナウンサーの相次ぐ〝賭博不祥事〟に局内からも不安の声が渦巻いた。 清水社長は「逮捕者を出したことは重く受け止めている」と謝罪。社内調査で発覚し、警視庁に実態把握を委ねたという。当該社員の今後について「警視庁の捜査に全面協力している。必要であれば厳正な処分を考えている。形としてみせていくことで、社内の意識も変わっていく」と説明した。 鈴木容疑者はギャンブル依存症を自認するほどで、知人に借金していたことも報じられている。 「鈴木さんは社員だけでなく、タレントらにもカジノの楽しさを力説していた。カジノ旅行に誘っていたこともあれば、カジノを特集した番組企画を提案したこともあった。株主総会を乗り切っても、山本アナが鈴木さんにいろいろ教わっていたことも明らかになっており、オンラインカジノに手を染めている人物がほかにも出てくるのでは、と心配されている」(フジ社員) 社内でオンラインカジノ蔓延しているのではないかという危惧もあるが、清水社長は調査は済んでいるとして、今後の調査については行わない方針を明かした。再生・改革を進めているからこそ不祥事が明るみに出たとも捉えられるが、視聴者の信頼を取り戻すことになるか。

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