札幌市豊平区のプレミストドーム近くで２６日に起きた多重事故。トラックが対向車線をはみ出し、正面衝突事故を起こしていたことがドライブレコーダーの映像から明らかになったほか、事故直後のトラックの運転手の様子も新たに分かりました。 札幌市豊平区月寒東１条１８丁目の国道３６号を走っていた乗用車。乗用車のドライブレコーダーには、反対車線を走ってきたトラックがセンターラインをはみ出し、乗用車と正面衝突するその瞬間が記録されていました。 トラックと正面衝突した人：「たとえようがないが、爆発に近い感じ。ドーンという音がして、耳が少し聞こえない感じ」 また、事故現場の５０メートルほど手前に設置された防犯カメラには、トラックがウィンカーを出さずに車線変更し、そのままセンターラインをはみ出す映像も。その後、正面衝突事故を起こすトラック。衝突の際、スピードを緩めている様子はありません。 この事故で営業中の路線バスや他の乗用車３台も巻き込まれ、７人がけがをしました。しかし、事故はこれだけでは終わりませんでした。 現場から１５０メートルほど離れた防犯カメラは、事故を起こした後、元の車線に戻って走り続け、プレミストドームの方向へ速いスピードで向かうトラックが撮影されていました。その後、トラックは最初の事故現場から４５０メートルほど離れた場所で２件目の事故を起こしました。 森唯菜記者（２６日）：「国道沿いで複数台が絡む事故です。車が横転していて、歩道に乗り上げている車もあります」 前を走っていた乗用車２台に追突したトラック。その後、玉突きなどで他の乗用車２台も事故に巻き込まれました。この事故で、６人がけがをしています。 事故に遭った人：「（トラックの運転手は）結構痛そうにしていて、全身。なんとか車から補助があって降りられたけれど、『大丈夫ですか？』と声かけたら、『すみません、すみません』とおっしゃっていた」 須藤真之介記者（２６日）：「トラックが豊平警察署に運ばれてきました」 警察が押収したトラックは、フロントガラスに無数のヒビが入り、前の部分はぐしゃりとつぶれてしまっています。ＨＴＢの取材で、このトラックは２週間ほど前に法人名義で借りたレンタカーだということが新たに分かりました。 車９台を巻き込み、少なくとも１３人がけがをした今回の事故。警察はトラックを運転していた５５歳の男性を過失運転致傷の疑いで現行犯逮捕しましたが、その後、けがによる入院のため男性を釈放しています。警察は、男性の回復を待って当時の詳しい状況を聞くことにしています。