浜松市のガールズバーで店長と従業員の20代女性2人が刃物で刺されて死亡した事件で、2人の遺体に十数カ所に上る刺し傷があったことが7日、静岡県警への取材で判明した。県警は、この店に通っていた無職の山下市郎容疑者(41)=静岡県袋井市、殺人未遂容疑で逮捕=が2人に恨みを募らせ、強い殺意を持っていた可能性があるとみて調べている。 県警浜松中央署は7日午前、容疑を殺人に切り替えて山下容疑者を静岡地検浜松支部に送検した。 県警によると、山下容疑者は6日午前1時ごろ、浜松市中央区千歳町のガールズバーに従業員の伊藤凜さん(26)と一緒に車で訪れて入店した。 その際、刃の部分が湾曲している特殊な刃物「ククリナイフ」とみられる刃物(刃渡り約20センチ)を1本ずつ両手に持ち、入店直後に店長の竹内朋香さん(27)を刺し、続けて店外に逃げた伊藤さんを追い掛けて刺した疑いがある。2人とも背中などを刺された。山下容疑者は刺したことを認めている。 事件当時、店内には別の従業員や客が合わせて数人いたが、けがはなかった。県警は2人だけを狙った可能性が高いとみて、動機や経緯を詳しく調べている。【藤渕志保、照山哲史】