1993年4月から8月にかけて、埼玉県北部で犬の繁殖・販売業を営む元夫婦らにより、3件、4人の男女が次々と毒殺される事件「愛犬家連続殺人事件」――正式名称「埼玉愛犬家等連続殺人・死体損壊・遺棄事件」が起きた。 徹底して死体を損壊・消滅させることに執着した犯人らは、遺体をバラバラに解体し、切り刻み、焼いた上で、無残にも山林や川に撒き棄てた。主犯の元夫婦は逮捕され、2009年に死刑判決が確定した。 当時、世間の耳目を集めた前代未聞の「死体なき連続殺人事件」は、どのような捜査が行われていたのか。犯人らが及んだ凶行の実態とは――。 ここでは、「愛犬家連続殺人事件」の捜査を担当した伝説の捜査官・貫田晋次郎氏の著書 『沈黙の咆哮』 (毎日新聞出版)より一部を抜粋。遺骨の一部が発見されたときの状況を貫田氏が振り返る。(全3回の1回目/ 2回目に続く ) ◆◆◆