「蛇を愛撫し恍惚となるシーンが圧巻」と…当時25歳で“グラマー女優”として話題を集めた女性が起こした“衝撃事件”の一部始終〈昭和44年の事件〉

「グラマー」という言葉も最近はすっかり使われなくなった。アメリカでは「グラマーガール」と呼ばれ、辞書には「体格がよくて、性的魅力のある女性」などとある。 かつての日本の映画界にも「グラマー女優」と呼ばれる女性たちがいた。今回取り上げるのは、その1人による「現役女優初の殺人事件」と騒がれた1969年の犯罪。その女優は映画で蛇と絡み合うシーンを演じ名を売ったことから、事件は「蛇女優が愛人を殺害」とセンセーショナルに報じられた。華やかな世界にあこがれ、サクセスストーリーを体現したかに見えた彼女の実像とは、どのようなものだったのか? 当時の新聞記事は見出しはそのまま、本文は適宜書き換え、要約する。文中いまは使われない差別語、不快用語が登場するほか、敬称は省略。女優「M」と被害者「T」は仮名にする。(全3回の1回目/ 続き を読む) ◇◇◇ 「一糸まとわぬ女の肌を執念の白蛇が這(は)いまわる……一匹、二匹……」。1958(昭和33)年6月15日、そんな新聞広告とともに1本の映画が公開された。 日本の映画界はこの年、新作2本立てを競うようになっていたが、「猫でギョッとし蛇でゾッとする怪奇大型映画2本立て」と銘打ち、『怪猫呪いの壁』(三隅研次監督、勝新太郎主演)と2本立ての『白蛇小町』(弘津三男監督、梅若正二・中村玉緒主演)。江戸時代の武家にまつわる因縁話で幽霊も登場する。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする