【08月04日 KOREA WAVE】韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)前大統領の妻キム・ゴニ(金建希)氏をめぐる疑惑を捜査する特別検察官は6日午前10時、ソウル・光化門にある特検事務所でキム・ゴニ氏を資本市場法違反などの容疑者として取り調べる。これに向け、特検チームは共犯者らを相次いで聴取し、容疑立証に向けて“総力戦”に乗り出している。 捜査の対象は、ドイツモーターズの株価操作、公認介入疑惑、シャーマン「乾真法師」として知られるチョン・ソンベ被告絡みの請託疑惑など、特検法に明記された16件に及ぶ。健康上の問題により長期の取り調べが想定されることから、事前に関係者の証言と証拠を固めている。 株価操作を巡っては、キム・ゴニ氏がドイツモーターズ株を購入した背景を追及するため、クォン・オス元会長を2日に召喚。加えて、キム・ゴニ氏が代表を務めていたコバナコンテンツの元社内理事で元アナウンサーのキム・ボムス氏も聴取を受けた。 検察からはキム・ゴニ氏の関与を示唆する音声ファイルも多数引き継がれたとされ、株の売買を担当した投資会社との利益配分の取り決めまで明らかになっている。 ドイツモーターズ事件は2009年から約3年間、クォン氏らが157口座を動かして価格を操作した大規模な不正事件で、今年4月にはクォン氏に懲役3年・執行猶予4年、罰金5億ウォンの判決が確定している。 一方、特検チームは政治ブローカーであるミョン・テギュン氏を中心とする公認介入疑惑の解明にも着手。ミョン氏は2022年大統領選前にユン・ソンニョル氏とキム・ゴニ氏に世論調査結果を無償で提供し、その見返りとして同年6月の補欠選挙でキム・ヨンソン元議員を昌原・義昌選挙区に公認させたとされる。 この件では、7月末から8月初旬にかけてミョン氏を2日連続で取り調べたほか、国民の力のキム・ヨンソン元議員、ユン・ハンホン議員、ユン・サンヒョン議員らが相次いで召喚された。 加えて、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の請託疑惑や、キム・ゴニ氏の“執事ゲート”も捜査が進んでいる。特検は今月、IMSモビリティやHSヒョソン、キム・ゴニ氏の関係者宅を家宅捜索し、2日にはIMSモビリティのチョ代表を取り調べた。 この“執事ゲート”では、キム・ゴニ氏の執事とされる男性が関連企業を通じて184億ウォンの資金を集め、さらに約46億ウォンを別会社で流用した疑惑が持たれている。 旧統一教会関連では、2025年7月18日にハン・ハクチャ(韓鶴子)総裁の私邸「天正宮」や教団本部など約10カ所を家宅捜索。特検は今後、ハン総裁本人や幹部への聴取も視野に入れている。 特検は6日の召喚で、キム・ゴニ氏に対し、主な疑惑について事実関係を確認する方針だ。キム・ゴニ氏側は出頭の意向を示しているが、健康上の理由から「午後6時までの調査」「複数回に分けた聴取」「休息時間の確保」などを要請している。 また、特検はユン前大統領に対する逮捕状の再執行も検討中。1回目の執行は8月1日に試みられたが、ユン氏の強硬な抵抗で失敗。今回は物理力の行使も辞さない構えを見せている。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News