尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領の夫人、キム・ゴンヒ女史に関連する疑惑を捜査するミン・ジュンギ特別検察官(特検)チームは7日、キム女史の拘束令状を請求した。特検チームが先月2日に捜査を開始してから36日たっての処置だ。キム女史が拘束された場合、元大統領夫妻が同時に収監される初の事例となる。特検チームは、尹錫悦前大統領の逮捕にも乗り出したが、尹前大統領の激しい抵抗に遭い、逮捕状の執行はまたもや失敗に終わった。 特検チームはこの日午後、キム女史に対して資本市場法・政治資金法違反、特定経済犯罪加重処罰法の斡旋収賄容疑で拘束令状を請求したと明らかにした。特検チームはまず、ドイツモーターズの株価操作(資本市場法違反)▽政治ブローカーのミョン・テギュン氏と関連した公認への介入(政治資金法違反)▽「コンジン法師」を通じた請託疑惑(斡旋収賄)を中心に、キム女史に対する拘束令状を請求した。前日キム女史を取り調べた特検チームは、キム女史が自分の容疑を全面的に否定しており、証拠隠滅の恐れが大きいと判断したものとみられる。オ・ジョンヒ特検補はブリーフィングで「拘束の要件を全て満たしていると考えた」と説明した。キム女史の拘束可否を決める令状実質審査は、チョン・ジェウク令状専担部長判事の審理で、12日午前10時10分にソウル中央地裁で開かれる。特検チームは、キム女史を拘束した後、楊平(ヤンピョン)高速道路の終点変更▽孔興地区開発における特恵▽大統領室・官邸移転への不当な介入▽捜査妨害・もみ消し疑惑などに対する捜査も続ける計画だ。 特検チームは同日午前、尹前大統領の取り調べのために逮捕状の再執行に踏み切ったが、失敗した。特検チームは午前8時25分、尹前大統領が収監されている京畿道儀旺市(ウィワンシ)のソウル拘置所を訪れ、逮捕状の執行を指揮したが、午前9時40分に執行を中断した。特検チームは「物理力を行使するなどの方法で逮捕状の執行を試みたが、被疑者に頑なに拒否され、負傷などの恐れがあるという現場の意見を受け入れ、執行を中断した」と説明した。尹前大統領の弁護団はこの日午後、瑞草洞(ソチョドン)のソウル高等検察庁前で記者会見を開き、「物理的強制力を行使して引致するのは苛酷な行為」だとと反発し、特検チームに法的責任を問う方針を示した。これに対し特検チームは「逮捕状を執行するため、必要最小限の物理力を使った」と反論した。尹前大統領の逮捕が再び失敗に終わったこの日、裁判所で発行された逮捕状の有効期間も満了した。特検チームは、逮捕状を再び請求するか、それとも対面調査なしに尹前大統領を起訴するかについて、内部で検討しているという。 キム・ガユン、パク・チヨン記者 (お問い合わせ [email protected] )