アメリカの女子プロバスケットボールリーグ・WNBAで、セックストイのディルドが試合中のコートに投げ込まれる事件が続発している。 最初に報告されたのは、7月29日にジョージア州カレッジパークで行われたアトランタ・ドリーム対ゴールデンステート・ヴァルキリーズの試合だ。 75-75の同点で残り時間が1分を切った時に、観客席からネオングリーンのセックストイがコートに投げ込まれ、試合が一時中断した。 さらに8月1日と5日に行われた別の試合でも、同様の問題が発生した。 CNNによると、8月1日に開催されたシカゴ・スカイ対ゴールデンステート・ヴァルキリーズの試合では、スカイのエリザベス・ウィリアムズ選手が「とても無礼だと思います」と試合後に記者団に語った。 「全く意味がわかりません。本当に幼稚です。やった人は、成長すべきです」 ニューヨーク・リバティのイザベル・ハリソン選手も同日、「アリーナの警備はどうなっているのでしょうか?!」「これは笑い事じゃない。何かを投げること自体が危険です」とXに投稿した。 5日のインディアナ・フィーバーとロサンゼルス・スパークスの試合ではフィーバーのソフィー・カニングハム選手に向かってセックストイが投げ込まれた。 カニングハム選手自身はこの事件を軽く受け流したようだが、SNSには「気持ちが悪い」「侮辱的」「女性蔑視的だ」などの批判が投稿された。 この他にも、ニューヨークとアリゾナ州フェニックスで行われた試合でセックストイが投げられたが、コートまで到達しなかったという。 AP通信によると、WNBAは「コートに物を投げ入れた場合、最低1年間の出入り禁止処分になるだけでなく、逮捕・起訴の対象になる」と発表した。 これまでに少なくとも2人の男性が、それぞれ別のWNBAの試合でセックストイを投げ入れた容疑で逮捕されている。 相次ぐセックストイの投げ入れ事件は、何を意味しているのだろうか。 WNBAは多くの黒人選手で構成され、LGBTQ+当事者も多く所属する女子スポーツリーグだ。WNBAの選手たちは、長年にわたり報酬改善や女子スポーツへの尊重を求めて声を上げ続けていることでも知られる。 認証カウンセラーで大学時代にアスリートだったアレクサンドラ・クロマー氏は、女子スポーツのコートにセックストイを投げ入れる行為について「本質的に無礼で侮辱的であり、女性蔑視のメッセージを伝えている」とハフポストUS版に語った。 「どんなスポーツであれ、プレー中のコートに何かを投げ入れることは、選手や試合に対する敬意の欠如を示しています」 「セックストイのような性的な物品を投げ入れることは、『女性は性的な存在や物としてでなければ自立した場所で存在できず、男性の視点、どう見るかから切り離せない存在だ』という軽蔑的なメッセージを伝えます。LGBTQコミュニティに所属する選手が多いことを考えれば、女性蔑視的で異性愛規範の考えや侮辱をさらに押しつけていると言えます」