61歳の男が女性を追いかけスプレー噴射する映像 身勝手な犯行動機「刑務所に入りたかった」

東京足立区の商業施設の防犯カメラで撮影されたのは、逃げる女性を執拗に追い回す男。手に持っているのはスプレー缶で、狙いを定めた次の瞬間、至近距離から顔の近くでスプレーを噴射。女性が遠くに逃げると、男はその様子をずっと見つめ続けていた。警視庁によると、女性の服には赤い塗料が付いたがケガはなかったという。 暴行と器物損壊の疑いで逮捕されたのは、埼玉県草加市に住む根岸秀男容疑者(61)。警察によれば、事件当時根岸容疑者は100均で購入したと思われるスプレー缶と全長約10センチメートルのナイフを所持していた。 根岸容疑者は「スプレーで目つぶしをしてナイフで刺そうと思っていた。通り魔的なことをやって、長期で刑務所に入りたかった」と供述している。 元検事のレイ法律事務所の西山晴基弁護士は「殺人予備罪に問うためには、殺意をもって殺人行為の準備をしていることが必要。凶器の殺傷能力の高さなどの客観的事実から立証する必要がある」と解説した。 根岸容疑者とはどのような人物なのか。同じアパートの住人は「(警察が)2〜3人で来て、下で1人待っていて、3対1ぐらいでクルマに乗っていった」と逮捕の瞬間を証言。住人によれば、根岸容疑者は4年ほど前に引っ越してきたそうで「最低限のことはやってくれていた。あいさつをしてくれて悪い印象もなかったけど」と振り返りつつも「(引っ越しのあいさつで)セブンイレブンで売っている粉石鹸に名前を書いて持ってきた、マジックで。律儀なのか変わっているのかわからない」とも明かした。 警視庁によると、根岸容疑者は2024年11月ごろに犯行を計画。2025年2月ごろからスプレーとナイフを常に持ち歩き、北千住・浅草・秋葉原などで襲撃のタイミングをうかがっていたという。 警察の調べでは、根岸容疑者はギャンブルや風俗通いで多額の借金があったこともわかっている。借金と今回の事件との関連性はわかっていないが、なぜ長期で刑務所に入りたいと思ったのか。 かつて違法な借金の取り立てをしていたという元暴力団員の男性は「100円ナイフなんかで絶対殺せない。執行猶予がつくかわからない、懲役1年6カ月かわからないけど、それでも(刑務所に)は入れたらと、そっちのほうが楽だと思っている」と語る。 過去に行った取り立てについて、「それはもう『トイチ』ですよ、10万円貸したら10日で1万円。身分証とかも全部こっちが預かってるので、だいたいその人(債務者)らがいるところは全部把握している。彼女と一緒にいる時だったらそこに行ったりとか。精神的に病んでいきますよね。『もう返さなあかん』って思ったら宗教みたいになっていく」と説明。それでも回収できない場合は「今でも、カニ漁船とかマグロ漁船とかはある。1年間も半年は帰ってこれない、カニ漁船に行ったら。カニ漁船に乗ってもらったほうが、先に入ってくる分のお金があるので、そっちの方が一番楽っちゃ楽」と語った。 男性は「腹くくってますよね、相手も」と続けると「女性は自分から風俗に行く人が多い、楽なので。でもそれに疲れ果てたら、コンビニで100円のもの盗んでわざとバレたりする。漁船に乗るのが嫌だったら、万引きして刑務所入った方がいいかなと考える人もいる」とも明かした。 根岸容疑者の「死んでもいいかなと思っていたが、大きなことをやれば長期で刑務所に入ることができると考えた」という供述について、ネットでは「出てきて再犯する可能性もあるよな……」「こんなやつは出してはいけない」と、再犯を懸念する声が相次いでいる。 西山弁護士は「『刑務所に入りたい』という理由だけで大きく刑罰が変わることはないと考える。そのような人は生活苦によることが多いので、社会復帰支援施設を増やすなど、犯罪を起こさせない環境を作ることが重要」と、サポートの必要性を説いた。 (『ABEMA的ニュースショー』より)

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