セガールの逸話に加藤浩次も驚がく…傑作「エグゼクティブ・デシジョン」の知られざる裏側<加藤浩次とよしひろのサンデーシネマ>

映画好きで知られるお笑い芸人・加藤浩次と映画ライター・よしひろまさみちが、毎週おすすめの1本を掘り下げる「加藤浩次とよしひろのサンデーシネマ」(日曜朝10:30-昼1:25、BS10)。8月24日の放送では、1996年公開のハイジャック・アクション映画「エグゼクティブ・デシジョン」を特集。出演俳優たちの裏話から迫真の撮影手法まで、濃密な映画談義が繰り広げられた。 ■セガールが撮影所を去った衝撃エピソードに加藤呆然 番組の序盤では、スティーブン・セガールの役どころにまつわる驚きの裏話が紹介された。当初の脚本ではセガール演じるトラヴィスが序盤で退場する設定だったが、セガールはその描写を受け入れられず難色を示したという。これに加藤は「おぉー、セガールだねぇ」と感心しつつも、その後撮影所を去ったというエピソードには「どういうこと?」と困惑。 当初の脚本では頭が爆発して死亡する予せがーるセガール。監督が説得を試みるも断固拒否の姿勢を見せたのだったが、にもかかわらず出演を決めたのは破格のギャラが理由らしい。1日あたり100万ドル(現在の日本円で約1億5,000万円)という金額に、加藤は「えっ、やばっ」と呆気にとられた。そのうえで「セガールにしてみたら、“沈黙”シリーズが当たっているわけだから、それぐらいもらわないとやりませんよ、ということなんでしょうね」と気持ちを代弁した。 さらにセガールは自身が出演しない場面のリハーサル中に現場へ押しかけ、「ここは自分が仕切る」と言い出したという。加藤は「現場ハイジャックじゃないの」と即座にツッコミ、スタジオは爆笑。共演したジョン・レグイザモは、セガールのあまりなクレイジーさに当初ジョークと捉えて笑っていた。しかし本気だったセガールに壁へ叩きつけられる事態に発展したことで、後年レグイザモは「もう二度と共演したくない」と語っていたそうだ。一方でその経験は「ザ・メニュー」で“感じの悪いセレブ役”を演じる際には役作りに大いに役立ったと振り返っている。加藤も「面白いなぁ。それは脳裏に焼き付いてるもんね」とうなずくばかり。 続いて語られたのは、作品の見どころであるハイジャック描写のリアルさ。撮影ではボーイング747の実機と精密なモデル機を使い分け、F-14戦闘機も海軍の協力で実際に飛行させた。スクランブル発進後に旅客機の脇を飛ぶシーンも空撮によって実現しており、加藤はその迫力に感嘆。「今はCGできれいな映像も実現できるけど、実際に飛んでいるシーンはやっぱり迫力が感じられる。そこは大事なところで、この時代の映画に学ぶべき点だと思う」と語った。 「エグゼクティブ・デシジョン」は、単なるアクション映画にとどまらず、出演者たちの舞台裏や制作スタッフの努力が色濃く刻まれた作品だ。CG全盛の今だからこそ、本物を駆使した迫真の映像は新鮮であり、映画の醍醐味を再確認させてくれる。 ■「エグゼクティブ・デシジョン」あらすじ ワシントンDC行きのジャンボ旅客機がテロリストたちにハイジャックされた。一味の要求は逮捕された組織のリーダーの解放。さっそく緊急会議が招集され、米陸軍特殊部隊のトラヴィス大佐と陸軍情報部顧問のグラント博士が召喚される。グラントは、3カ月前に行った作戦で奪回に失敗した猛毒ガスがハイジャック犯の手に渡り、彼らがワシントンへの攻撃を目論んでいるとの仮説を立てるが…。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする