神戸市のマンションで24歳の女性が殺害された事件で、22日に東京都内に住む35歳の男が殺人容疑で逮捕されました。男は事件発生から1時間以内に、東京へ向かう新幹線に乗っていました。 ■神戸女性刺殺 35歳男を逮捕 両手で顔を覆いながら、エスカレーターを降りてきた男。中指と人差し指の間から周囲の様子を伺っているように見えます。 22日午後11時半ごろ、捜査員に連れられて、兵庫県内の警察署に入ったのは、殺人の疑いで逮捕された谷本将志容疑者(35)です。 兵庫県警 捜査1課長 「被疑者の逮捕にご尽力頂きました警視庁に対して、深く感謝を申し上げます」 東京・高田馬場に住んでいたという谷本容疑者。午前1時から始まった捜査本部の会見で、兵庫から東京へと逃亡した、容疑者の足取りが明らかになりました。 20日に神戸市中央区のマンションのエレベーター内で、会社員の片山恵さん(24)が羽交い絞めにされ、刃物で胸を刺されて死亡した事件。 警察によりますと、谷本容疑者がマンションに侵入する直前、片山さんを10分以上にわたって、付け回していたことが分かりました。 一部の傷は肺に達していて、死因は失血死でした。 捜査関係者によりますと、男はマンションを出て逃走したとみられていますが、40メートルほど離れた駐車場から血の付いた刃物が見つかったということです。 発見された刃物はナイフで、刃渡りはおよそ15センチ。付着した血液を鑑定した結果、片山さんのDNA型と一致したということです。 突然の別れに、地元の同級生は次のように話しました。 片山さんの友人 「まさか後ろからついてくるなんて、本人は思ってなかったと思うし。かわいそうすぎて。殺され方もどんな気持ちだったんだろう」 ■事件後の足取りが明らかに 現場近くですぐに凶器を捨てたとみられる谷本容疑者。さらに、防犯カメラの捜査から、事件発生から1時間以内に、新神戸駅から新幹線に乗ったことが分かったということです。 そのため、兵庫県警は警視庁に捜査協力を依頼。すると、事件から3日目の22日、急展開を迎えます。 男が確保された東京・奥多摩町。近くにはキャンプ場などもあって、非常に自然に囲まれた場所です。その国道沿いの住宅の玄関の目の前で男は確保されたということです。 谷本容疑者が確保されたのは、現場からおよそ370キロ離れた奥多摩町でした。確保の瞬間を目撃したという人は次のように話しました。 「とにかく押さえられていたので、もがいている、振りほどこうとしているように見えた。やめてほしいみたいな、暴れている感じ。(捜査員が)殺人犯を取り押さえていると言っていた」 捜査関係者によりますと、警視庁が22日午前、谷本容疑者がJR奥多摩駅で下車したことを確認。その後、谷本容疑者が潜伏している可能性がある宿泊施設を一つひとつ、潰す捜査をしていたとみられます。 徐々に包囲網を狭めていった警視庁の捜査員。すると、昼ごろ、奥多摩駅から6キロ離れた場所で谷本容疑者を発見しました。 確保の瞬間を目撃した住民 「(捜査員から)奥多摩駅から歩いてきたと聞いているのですが、奥多摩駅はすごく遠いので1時間では着かないと思う」 電車を使えば10分の距離をわざわざ歩いていたという谷本容疑者。確保された際、菓子を持っていたとみられています。 確保の瞬間を目撃した住民 「(Q.お菓子を食べていた?)刑事の方が『お菓子が散らばって掃除したいので』ということで、掃除してくださいました」 これまでの捜査で、谷本容疑者と被害者の片山さんの接点や、自宅のある高田馬場からなぜ神戸に向かったのかは分かっていません。 谷本容疑者は取り調べに対し、容疑を一部否認しています。 「殺意を持っていたかは分かりませんが、ナイフで腹部のあたりを1回か2回くらい刺したことに間違いありません」 警察は動機などを詳しく調べる方針です。 (「グッド!モーニング」2025年8月23日放送分より)