(CNN) 米サウスカロライナ州陸軍の州兵2人に唾(つば)を吐いたとして、男1人が重暴行の罪で訴追された。州兵らは、トランプ大統領による犯罪対策の一環として首都ワシントンに派遣されていた。 連邦捜査局(FBI)捜査官が裁判所に提出した事実関係の陳述書によると、アムトラック警察の警官は22日午後、スコット・ピション容疑者がワシントンのユニオン駅の外でスクーターに乗りながら州兵2人に近づいていくのを目撃した。裁判所の文書によれば、ピション容疑者は「咳(せき)をして口内に粘液を出すような音」を立てた後、「唾液(だえき)と粘液の混ざったものを吐き出した」。それが兵士1人の顔ともう1人の首にかかったという。 26日、連邦保安官代理は連邦令状に基づきピション容疑者を逮捕した。州弁護士会の記録によると、ピション容疑者は2019年からメリーランド州で弁護士資格を有している。 裁判所の文書によれば、防犯カメラが州兵への暴行とみられる行為を捉えていた。 CNNはピション容疑者の弁護士にコメントを求めている。 今回の訴追は、トランプ氏がワシントンでの犯罪取り締まりを強化する中で起きた。同氏は今月初めにワシントンの警察を掌握し、州兵の派遣を開始した。 その後、サウスカロライナ州と共和党が支配的な他の5州は、首都ワシントンの連邦法執行機関を支援するため州兵を動員した。先週にはヘグゼス国防長官が、部隊に武器の携行開始を命じた。 トランプ氏はワシントンの犯罪増加について繰り返し不満を表明しているが、今年の全体的な犯罪件数は昨年よりも低い。 先週発表されたワシントン・ポストとシャー・スクールの世論調査によると、トランプ氏のこうした動きは首都住民の間で非常に不評となっている。住民の約8割が、連邦政府に市警察の掌握を命じたこと、そして州兵とFBIを派遣して市内をパトロールしたことに反対している。