後絶たぬ痴漢、8割が泣き寝入り 相談できず、繰り返し被害も 支援団体「未然防止の対策必要」

痴漢の被害が後を絶たない。 警察や周囲に相談できずに泣き寝入りする人は8割に上るとされ、繰り返し被害に遭う人もいる。支援団体は「痴漢を未然に防ぐ対策も必要だ」と力を込める。 東京都江東区を走行中の地下鉄の電車内で6月、通学中の女子高校生に痴漢をしたとして、30代の男が警視庁深川署に現行犯逮捕された。男は昨年8月以降の約10カ月間、週に2~3回、同じ女子高校生に痴漢を繰り返しており、車両や時間帯を変えてもしつこく付きまとった。 「車両を変えても被害に遭うなら自分が我慢すればいいと諦めていた」。そう思っていたという女子高校生が意を決して警察に被害を訴えた2日後、男は逮捕された。男は別の日にも電車内で女子高校生に性的暴行を加えたとして再逮捕、起訴された。 警視庁が摘発した痴漢事件は、今年1~6月で303件に上る。現場の7割が電車内で、被害者の3割は10代だった。 ただ、被害を受けても泣き寝入りする人は少なくない。内閣府が昨年、16~29歳の男女約2300人を対象に実施した調査によると、直近の被害を「警察や関係機関に知らせなかった」と回答した人は8割に上った。警察に相談しなかった理由として「おおごとにしたくない」との回答が4割で最多だった。 一般社団法人「痴漢抑止活動センター」(大阪)代表の松永弥生さん(60)は「おとなしく、抵抗しなさそうな人は狙われやすい」と指摘。「そういう人は何度でも狙われる。怖くて警察や周囲に言い出せない人も多く、痴漢をさせない対策が必要だ」と指摘する。 センターでは被害防止策の一つとして、「私は泣き寝入りしません」などと書かれたバッジの普及に努めている。利用者からは「被害に遭わなくなった」との声が寄せられているという。 松永さんによると、スカートを触られる程度では痴漢と気付かず、下着に手を入れられるなど行為がエスカレートして初めて被害を認識する人も少なくない。「痴漢とはどういうものか、子どものころから教育することも重要だ」と強調した。

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