刺青を誇示してマスクをずらし睨みを利かせ…!偽商品券換金の罪で逮捕の極東会系暴力団員の”虚勢”

短く刈り込まれた頭髪。両腕には手首までびっしりと刺青が彫られており、それをまるで誇示するように風を切って歩く。コロナ感染、風邪感染防止のために装着しているマスクも、わざわざ口の下までずらし顔を全て晒して睨みを利かせる男──。 9月6日、警視庁新宿署から送検のために出てきた男は、極東会系暴力団組員の浅賀浩太容疑者(31)だ。東京・新宿区のチケットショップに、偽の商品券約100枚を持ち込み換金しようとしたとして逮捕された。 「浅賀容疑者は9月4日、最初に東京・上野のチケットショップに、偽の商品券を持ち込んだようです。従業員が偽物だと気づき、すぐに系列店に注意を呼びかけた。新宿の別の店舗に現れた浅賀容疑者を、相談を受けていた警視庁が現行犯逮捕しました。浅賀容疑者は、調べに対し『偽造とは思わなかった』と容疑を否定しているようです。偽商品券の換金行為は、偽造有価証券行使罪に問われ、有罪となれば3月以上10年以下の懲役に処せられます」(全国紙社会部記者) 偽商品券で換金や買い増しをしようとする事件は、これだけではない。9月5日には上野署が、ベトナム国籍の20代男性を台東区の金券ショップに偽造商品券(額面5000円)を20枚持ち込んだとして現行犯逮捕。 9月7日には葛西署が、江戸川区のディスカウント店で前日の6日に、偽商品券でゲーム機2台(約7万5000円相当)を購入しようとしたとしてベトナム国籍の男性を逮捕している。外国人が、このような事件を起こすケースは増加傾向にあるが、暴力団による犯罪も増える可能性はあるのだろうか。元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏が解説する。 「暴力団はおカネがないんです。飲食店からのみかじめ料も昔から付き合いのある店舗は出すでしょうが、そうでないところは出しません。だから、自分で稼がなければならないのですが、彼らは銀行口座を作ることができません。構成員を辞めてもそこから5年間は口座が作れない。その結果、住居も借りられない。アルバイトをしようにも働けないという現実があります。 だから、構成員を続けながら、手軽な犯罪に手を染めるのです。偽造商品券の場合は、自分で偽造するわけではないので、安い価格で手に入れて、換金するという方法です。それだと、捕まっても『偽造だと思わなかった』『自分もだまされた』と言いわけができます。今回のケースも実際に未遂で終わっているので、罪は軽くてすみます。薬物に手を出すよりは手軽なんです。言い換えれば、若い構成員は、組に貢献するためには、そんなことしかできなくなっている。そういう意味では、今後、こういった犯罪が増える可能性もありますね」 冒頭の場面に戻ろう。浅賀容疑者は、悪びれる様子もなく報道陣を睨み、護送車に乗り込んだ。

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