警視庁公安部の捜査員2人の「不起訴不当」 大川原化工機の冤罪事件

「大川原化工機」(横浜市)をめぐる冤罪(えんざい)事件で、捜査に不利なデータを隠すために捜査報告書に虚偽の記載をしたとして虚偽有印公文書作成・同行使の疑いで告発され、不起訴となった当時の警視庁公安部の捜査員2人について、東京第6検察審査会は不起訴を「不当」と議決した。議決は17日付。大川原化工機側の代理人弁護士が明らかにした。 この議決を受け、東京地検は再捜査をして改めて起訴の可否を判断する。 大川原化工機をめぐっては、製造した「噴霧乾燥機」について、輸出規制があるのに無許可で輸出したとして社長らが2020年に逮捕・起訴され、翌年に起訴が取り消された。 今回、「不当」と議決されたのは、同社の機器が輸出規制に当たるかを調べる温度測定実験をした捜査員らに対する不起訴処分。機器は、内部が一定以上の高温にならなければ、輸出規制には該当せず、刑事責任は問われない。 議決は、この捜査員らが、立件に必要な温度に達しなかった一部のデータを記載せず虚偽の報告書を作成した、などと指摘。こうした行為は虚偽有印公文書作成罪に該当し、「『立件ありき』で捜査を実施し、実験結果を記載しないことは許されない」とした。(黒田早織)

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