「わざとではないです」逮捕前に介護福祉士の男を直撃取材 入所者を高温の風呂に入れ死亡させた疑い

大阪市の高齢者施設で、入所者を高温の風呂に入れ死亡させたとして、 介護福祉士の男が逮捕された事件。男への直接取材を通して、明らかになってきたこととは。 記者 「『わざと』なのか、『わざとではない』のか、どっちなんですか?」 三宅悠太容疑者 「わざとではないです。今まで長年やってた介護業務なんですけど、もうほんまに自分のプロ意識が欠けていた」 逮捕前、記者の問いかけに、過失だったと主張していた男。 9月30日、傷害致死の疑いで逮捕された介護福祉士の三宅悠太容疑者(38)です。警察は、過失ではなく故意に犯行に及んだとみています。 今年6月、当時勤務していた大阪市の特別養護老人ホーム「アルカンシエル東成」で、入居者の70代の男性を高温のお湯を張った風呂に入れ、死亡させた疑いがもたれています。 事件が起きたのは入浴介護の時。 死亡した男性は半身まひがあり、三宅容疑者は当時1人でイス型の専用のリフトに男性の体をベルトで固定し、介護にあたっていました。 本来ならば、問題がないか注意を払う必要がありますが、三宅容疑者は脱衣所で別の作業をするため数分間、浴室を離れたといいます。 三宅悠太容疑者 「3分から5分くらいたって、入居者さまの様子がおかしくて、(風呂から)上げたら体の下半身から下が赤くなっていて、これちょっとやばいと思って上げたんですね。皮がめくれていたり、血が出ていたりという状況で」 記者 「声を上げたり、『熱い』みたいな声は聞こえなかった?」 三宅悠太容疑者 「聞こえにくかった」 記者 「同じ空間にいたけど聞こえなかった?」 三宅悠太容疑者 「聞こえにくかったです」 記者 「聞こえていたのかどうかで言うと?」 三宅悠太容疑者 「聞こえていたけど、聞こえていない」 男性は50℃以上のお湯に数分間、浸かっていたとみられ、全身の約77%にやけどを負い、約3週間後に死亡しました。 ◇◇◇◇◇ 入浴介護は、どのようにして行われているものなのでしょうか。 事件があった施設とは別の介護施設を取材しました。 施設の運営会社「エースタイル」・谷本えり香 社長 「足、上げられそうな方は上げていただいたりもするんですけど、(場合によっては)職員がサポートしますね」 「じゃあちょっと押しますね」 「こういう形でロックがかかっています」 「下ろしますね。ご気分悪かったらおっしゃってください」 施設の方が細かに声掛けをしながら、サポートしています。椅子を下す際にも、つきっきりでスイッチを押し続ける必要があるということです。 神谷果歩 記者 「お湯に入る瞬間は、職員がすぐ横にいないと難しいですね」 施設の運営会社「エースタイル」・谷本えり香 社長 「もちろん、このまま少しお話しさせていただいたりしながら入浴してもらう」 「ここに下がる段階で(利用者が)お湯につかるので、(湯温が高ければ)『熱い熱い』となると思うんですよね」 逮捕前の任意の調べに対し、三宅容疑者は…。 三宅悠太容疑者 「熱湯だとまずいと思い、被害者が別の部屋に移された後、温度の設定を適温に戻した」 警察は、温度設定を適温に戻し、犯行を隠そうとした可能性もあるとみて捜査しています。

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