<1分で解説>独露パイプライン爆破 ウクライナ政府が関与?

ロシアとドイツを結ぶ天然ガスパイプライン「ノルド・ストリーム」と「ノルド・ストリーム2」が2022年9月に爆破された事件で、ポーランド当局がウクライナ国籍の男性ダイバーを逮捕したと発表しました。事件では8月にもウクライナ軍元将校がイタリアで逮捕されており、ウクライナ政府や軍が組織的に関与していたかどうかが今後の捜査の焦点となっています。1分で読めて役に立つ「サクッとニュース」、今回は「ノルド・ストリーム爆破事件」を解説します。 Q どんなパイプラインなの? A ノルド・ストリーム(NS)は、ロシアとドイツを結ぶ天然ガスのパイプラインです。2011年に運用が始まり、ほぼ並行してノルド・ストリーム2(NS2)も2021年に完成しました。 Q 爆破事件はいつどこで起きたの? A 事件は2022年9月26日、デンマークのボーンホルム島近くのバルト海の海底で起きました。NSの2本とNS2の2本のうち、合わせて3本が爆発物で破壊されました。 Q 誰が逮捕されたの? A ポーランド当局に逮捕されたのは、ウクライナ国籍の男性ダイバーです。また、イタリア警察もウクライナ軍元将校を逮捕しています。2人ともドイツ当局の逮捕状に基づいています。 Q ウクライナの関与が疑われているの? A 独メディアによると、元将校はウクライナ保安局(SBU)で働いていた経験があり、事件に関与したグループの中心メンバーとみられています。さらに、偽名のパスポートもウクライナで正規に発行されていたことから、国家レベルでの関与が疑われています。 Q なぜウクライナがパイプラインを狙うの? A ロシアは22年2月にウクライナへの侵攻を開始しました。ウクライナとしては、ロシアと欧州を結ぶパイプラインを破壊することで、欧州経済のロシアへの依存を早く断ち切り、欧州諸国がロシアに対して弱腰にならないようにするメリットがあったと指摘されています。 Q どうやって事件が発覚したの? A 当初はロシア軍の関与が疑われていましたが、捜査でウクライナ人の関与が疑われるようになりました。そして、バルト海沿岸の貸し船舶会社の記録から、不審なヨットが見つかり、船内に残された指紋やDNA型などから、ウクライナ人グループ6人が特定されました。 Q 今後どうなるの? A 男性ダイバーと元将校の証言や捜査の進展で、ウクライナ政府の関与が明らかになれば、ウクライナを支援するドイツとの関係に影響が出る可能性があります。

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