米政権が「麻薬船」攻撃で議会に正当性主張、専門家は軍事力行使を問題視

Phil Stewart Idrees Ali [ワシントン 2日 ロイター] – トランプ米政権が軍を投入し、ベネズエラ沖で麻薬を密輸していたとする船を攻撃した問題で、今週議会に正当性を訴える文書を送付したことが分かった。ロイターが2日、文書を閲覧した。 国防総省が議会に送ったこの文書には、トランプ大統領が麻薬組織を事実上の非国家武装集団とみなし、同集団の行動が「合衆国に対する武力攻撃に該当する」と判断したと記されている。 その上でトランプ氏は、米国がこれらの指定されたテロ組織と「非国際的な武力紛争状態にある」と定義したという。 文書は「大統領は戦争省(国防総省)に、武力紛争に関する法令に従ってこの組織に対する作戦行動を実施するよう指示した」としている。 ただ複数の法律専門家は、麻薬密輸容疑者を逮捕して積み荷を押収せずに殺害したことや、そもそも本来沿岸警備隊が行う取り締まりではなく、軍を投入して攻撃したことは法的に問題があるとの見方を示している。 上院軍事委員会で野党民主党トップの地位にあるジャック・リード議員も、トランプ政権は軍による攻撃を妥当とするだけの情報、ないし信頼に足る根拠を議会に提示していないと不満をあらわにした。 リード氏は声明で「大統領が自分の敵と呼ぶいかなる相手にも秘密裏に戦争を仕掛けられると判断したことに、全国民は警戒感を持たなければならない」と強調した。

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