ベトナム人の元技能実習生など男女3人が、ロマンス詐欺の被害金の「出し子」として再逮捕されていたことがわかりました。3人は、ベトナムに拠点を置く指示役と頻繁にやりとりをしていたとみられています。 捜査関係者によりますと、詐欺などの疑いで逮捕されたのは、元技能実習生のファム・ティ・ニュー・ホア容疑者(22)、ヴ・コン・ソン容疑者(24)の2人と技能実習生の監理団体の職員、金子正明容疑者(41)のあわせて3人です。 3人は今年5月下旬から6月上旬にかけ、佐賀県居住の60代男性に通信アプリ「LINE」で「デートに出かけるのはもちろん良いが、会員になる必要がある」などとウソを言い、3人らが管理する他人名義の銀行口座におよそ19万円を送金させ、だまし取った疑いがもたれています。 3人はいわゆる「ロマンス詐欺」の「出し子」として関与したということです。 調べに対しヴ容疑者は容疑を認め、ほか2人は容疑を否認しているということです。 3人はこれまでに、不正に入手したキャッシュカードでATMから交際あっせん詐欺の被害金を引き出したなどとして、窃盗の罪で逮捕・起訴されていて、オーバーステイ向けの“闇バイト”に応募していたことがわかっています。 その後の捜査で、60代男性が送金した数分後に、ヴ容疑者が神奈川県川崎市内のATMで口座から引き出し、ファム容疑者がその日のうちに横浜市青葉区のコインロッカーに運搬したのち金子容疑者がコインロッカーから現金を回収したことがわかり、詐欺事件への関与が浮上したということです。 3人は秘匿性の高い通信アプリ「テレグラム」を利用してベトナム語でやりとりしていたということで、警察はベトナムに拠点を置く指示役グループから、「テレグラム」で頻繁に指示を受けながら犯行に及んだとみて、実態解明を進めています。