エジプトで文化財の腕輪が盗まれ、溶かされる事態に─その破格の売却額は

エジプトで再び文化財犯罪が注目を集めている。カイロの博物館からファラオ・ウセルマアトラー・アメンエモペの腕輪が盗まれ、溶かされてしまったのだ。3000年前の貴重な遺物は、わずか約4000ドル(約60万円)で売却され、永遠に失われた。犯行は同館の修復研究員によるもので、関係者は全員逮捕されたが、遺物を取り戻すことはできなかった。この事件は観光客を直接狙ったものではないものの、エジプト旅行の治安に対する不安を改めて呼び起こしている。 米「ニューヨーク・ポスト」紙によると、貧困が広がるエジプトでは、観光客を狙った軽犯罪が横行している。米国の安全保障専門家スペンサー・クーセンは「多くの地元民にとって、観光客相手の“商売”は犯罪ではなく生き延びる手段」と語る。 彼によれば、観光客はスリや過剰請求、強引な物売り、女性への嫌がらせなどに注意すべきだという。とくにカイロなどの都市部では、警察はテロ対策に重点を置いており、観光客への小規模犯罪の対応は充分でない場合がある。

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