マレーシアを拠点とする特殊詐欺グループに加わり、「かけ子」として高齢女性から50万円をだまし取ったとして、大阪府警は8日、現地当局に拘束されていた住所不定、無職の男(25)ら4人を詐欺容疑で逮捕した。府警は押収資料の分析結果などから、グループが数十件の詐欺事件(被害総額数千万円)に関わった可能性があるとみている。 他に逮捕されたのは、いずれも住所不定で無職の30歳の男1人、25歳の男2人。4人は8日、航空機で成田空港に移送された。 発表では、4人は氏名不詳者らと共謀。7~8月、群馬県内の80歳代の女性に警察官などを装って電話をかけ、「詐欺に関与している疑いがある」「潔白を証明するには口座の資金を調べる必要がある」などと言って自身らが管理する金融機関口座に50万円を振り込ませ、詐取した疑い。府警は認否を明らかにしていない。 府警によると、4人はSNS上で「高収入」「海外の仕事」とうたった闇バイトとみられる投稿を見て応募し、6月以降にマレーシアに渡航。現地当局が8月、首都クアラルンプールにあるグループの拠点を摘発し、4人のほか、外国籍の5人を拘束した。拠点は高い塀に囲まれた4階建ての建物で、警察手帳や制服のようなものがあったという。 特殊詐欺を巡っては、東南アジアに拠点を置くグループの日本人が拘束・逮捕される事件が相次ぐ。 クアラルンプールなどでは5月、詐欺拠点2か所が摘発され、日本人10人以上が拘束された。ミャンマーとカンボジアでも4~8月、かけ子として現地の特殊詐欺グループに関わったとして、30人以上の日本人が詐欺容疑などで愛知県警に逮捕された。