家宅捜索中に現場にいた捜査対象の男性を殴るなどしたとして、特別公務員暴行陵虐罪に問われた大阪府警捜査4課の警部補、時長力被告(51)と巡査部長、阪口裕介被告(33)の初公判が15日、大阪地裁(加藤陽裁判官)で開かれた。時長被告は「間違いありません」、阪口被告は「私の行為は職務範囲を超えてしまった」と述べ、いずれも起訴内容を認めた。 検察側の冒頭陳述などによると、府警は当時捜査員約20人態勢で、女性を性風俗店に紹介する国内最大規模のスカウトグループ「ナチュラル」の関係先を捜索。両被告は押収したスマートフォンの暗証番号を教えるよう求めたのに男性が応じなかったことに腹を立て、暴行を加えた。阪口被告は顔などを多数回殴ったり、腹を蹴ったりした。 今後、いずれの被告にも追起訴の予定があるとして審理は分離された。 府警は捜索後、職業安定法違反容疑で男性ら4人を逮捕したが、違法行為があったとして釈放するとともに、押収した証拠品も返却している。