容疑者「2人に恨みない」 女性1人は窒息死 埼玉・老人ホーム殺人

埼玉県鶴ケ島市の老人ホームで入所者の女性2人が殺害された事件で、1人に対する殺人容疑で逮捕された施設の元職員、木村斗哉(とうや)容疑者(22)が「暗証番号を使って出入り口の電子錠を開けた」と供述していることが、捜査関係者への取材で判明した。木村容疑者は2024年7月まで施設に勤務し、当時から暗証番号は変更されていなかったという。 木村容疑者が「2人に恨みはなかった」と供述していることも新たに判明した。女性はいずれも木村容疑者の在職時から入所しており、接点があったという。一方で動機については曖昧な供述を続けており、慎重に調べている。 県警によると、施設には複数の出入り口があり、職員用の出入り口は4桁の暗証番号で開く電子錠だった。こじ開けたような跡はなく、木村容疑者は正しい暗証番号を入力して侵入したとみられる。 また、県警は16日、亡くなった小林登志子さん(89)の死因が窒息死だったと明らかにした。司法解剖の結果、上半身に刃物による複数の傷があるが、首を絞められて窒息したとみられることが分かった。もう一人の上井アキ子さん(89)についても解剖を進める。 木村容疑者の所持品からはナイフや手袋のほか、細長い形状のものも見つかっており、鑑定を進める。「ナイフは事件前に購入した」と説明しており、県警は計画性があったとみている。 施設の防犯カメラには事件後、フードをかぶってマスクを着けた不審者が逃げる様子が映っていた。しかし、事件後に警察官が現場から約250メートル離れた路上で木村容疑者を発見した際、フードやマスクを着けていなかった。着替えて逃走したとみられる。 県警は16日、小林さんを殺害した容疑で木村容疑者を送検した。【田原拓郎、板鼻歳也】

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