詩人・尹東柱の思い継ぐ、中学生らが朗読 記念碑建立8周年、宇治で

韓国の詩人・尹東柱(ユンドンジュ)の記念碑「記憶と和解の碑」が立つ京都府宇治市志津川仙郷谷で25日、建立8周年の集いがあった。 尹は同志社大に留学中の1943年7月、朝鮮語での詩作などを理由に治安維持法違反容疑で逮捕された。45年2月、27歳で獄死した。逮捕直前に宇治川を訪れていた縁で、市民が2017年、川のそばに記念碑を建てた。 集いには35人が参加。折り鶴とコスモスの花を碑に手向け、尹の作品「夜明けがくるときまで」「弟の印象画」などを順番に朗読。全員で、碑に刻まれている「新しい道」を読んだ。 記念碑建立委員会代表の安斎育郎・立命館大名誉教授は「公権力に抑圧される社会にしてはならない」と訴えた。 授業で尹について学んだ同志社中学3年の生徒も参加した。「弟の印象画」を朗読した垂井唯華さん(15)は「弟の詩を書いただけで逮捕されるのはとても切ない」。橋本朋香さん(14)は「尹さんの思いをつないでいくことが大事だと思いました」と話した。(平岡和幸)

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