18年前の組長刺殺事件、組織的殺人容疑で別の組幹部逮捕 兵庫県警

神戸市中央区で2007年に暴力団組長が刺殺された事件で、兵庫県警は26日、住所不詳で指定暴力団神戸山口組系組幹部の勢昇(せいのぼる)容疑者(76)を組織犯罪処罰法違反(組織的な殺人)容疑で逮捕し、発表した。認否は明らかにしていない。 暴力団対策課によると、分裂前の山口組系傘下組織の幹部だった勢容疑者は他の人物と共謀して07年5月31日、神戸市中央区二宮町1丁目の路上で、別の山口組系傘下組織の後藤一男組長(当時65)を刃物で刺し、組織的に殺害した疑いがある。 県警は、事件現場で勢容疑者が殺人を指揮をしていたとみて調べている。 この事件では過去に計13人の暴力団組員らが殺人容疑などで逮捕された。その供述などから勢容疑者の関与の疑いが浮上した。 県警は09年に全国に指名手配して勢容疑者の行方を追っていたが、関係者への捜査で今年9月、潜伏先とみられる東灘区内に勢容疑者がいることがわかったという。 事件をめぐっては、配下の組幹部らに後藤組長の殺害を指示したとして、組織犯罪処罰法違反(組織的な殺人)の罪に問われた当時の山口組系傘下組織の組長に対し、一審の神戸地裁は「組織的に実行されたとは認められない」と無罪を言い渡した。 しかし、二審の大阪高裁は「犯行が組織のために行われたのは明らか」として、懲役20年の逆転有罪判決を言い渡した。判決は15年6月に確定した。(根本快)

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