容疑者逮捕に長男「父の執念が生んだ」 心境語る 名古屋主婦殺害

1999年に名古屋市西区の自宅アパートで高羽奈美子さん(当時32歳)が殺害された事件で、長男の航平さん(28)と父の悟さん(69)が2日、報道各社の取材に応じた。航平さんは、容疑者の逮捕について「父の執念が生んだとも思う」などと話した。主なやり取りは次の通り。【塚本紘平】 ――容疑者の逮捕を知った時はどう感じましたか。 <航平さん>「え、ガチ」と(悟さんに)返した。本当にその気持ち。26年間、音沙汰がなく、本当に捕まったのか、本当に(その人物が)犯人なのか、という気持ちが大きかったです。 ――今日は、2人でどのようなことを話しましたか。 <悟さん>容疑者の逮捕はLINE(ライン)で直接、報告しており、今日は会ったといっても私がバタバタしていて。会話ができるような状態ではなかったので、これからご飯を食べながら話そうと思います。 ――悟さんの顔を見てどう思われましたか。 <航平さん>「寝ていない」と言っていましたが、割とすっきりした顔をしているなと。 ――今日の法要で、奈美子さんにはどんな報告をしましたか。 <悟さん>詳しい情報を聞けるのは容疑者を起訴してからだと思っています。残念ながら私の関係者が容疑者だったけど、これだけやってきたので、奈美子も許してくれるのかなと思っています。 <航平さん>26年間、捜し続けて捕まった点に関しては良かったという報告ができました。これから、明らかになることもあると思うので、それも含めて報告できる時がくればいいなと思っています。 ――これまでの子育てについての思いはいかがですか。 <悟さん>自分が一人で育てたわけではなく、兄弟などみんなに助けてもらいました。(航平さんは)自分の進路を自分で決めてきてくれたし、ぐれずに育ってくれた。就職も希望の職種があって、自分で見つけて、私の22歳の時と比べたらしっかりしていたので安心しています。 ――悟さんのこれまでの活動を、今どのように感じてますか。 <航平さん>父の執念が生んだ逮捕とも思えるので、よく頑張ってきたなと思います。 ――この言葉を聞かれて、どう思いますか。 <悟さん>母親のいない人生を歩ませてしまった責任として、何とか犯人を捕まえて息子に結果を報告したい、との思いでやってきました。まだはっきりしない動機が分かれば、多少の責任はとれたのかなと思います。息子には謝らないといけないなと思ってます。 <航平さん>僕はずっと、一緒に活動してきました。してきたからこそ、「本当に捕まるのか」「このままいつまでも捕まらないのではないか」と思うことがたくさんありました。でも、必死に活動して、現場も保存してきたおかげで逮捕に至ったと思うので、諦めない姿勢が一番、強かったのかなと思います。

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