郭種根(クァク・ジョングン)前特殊戦司令官が3日、「(尹錫悦前大統領が)韓東勲(ハン・ドンフン)前国民の力代表など政治家を名指ししながら『捕まえて来い。銃で撃って殺す』と言った」と法廷で証言した。この日、ソウル中央地裁での尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領の内乱首謀者公判でした証言だ。 郭前司令官が証言した発言は、昨年10月1日の国軍の日行事後に大統領官邸夕食会で尹前大統領と舌戦をする過程で出てきたという。夕食会には2人のほか、金竜顕(キム・ヨンヒョン)前国防部長官、呂寅兄(ヨ・インヒョン)前防諜司令官、李鎮遇(イ・ジンウ)前首都防衛指令官が出席した。 郭前司令官が「夕食会で非常措置権限という言葉を聞いた」と話すと、尹前大統領は「その日は軍人たちの誕生日ではないのか。当日に激励のために呼んだが(郭前司令官は) 8時過ぎに来て座り(ビールと焼酎を混ぜた)爆弾酒を交わしながら多くのお酒を飲んだ。時局の話をする状況ではなかった」と反論した。 尹前大統領は夕食場所とメニューについても「官邸の夕食会場でシェフが数日前からコース料理を準備したのではなく、私が住居空間の食堂に来るように言って玉子焼きやベーコンを焼いて皆さんを待った。時局の話をする状況ではなかった」と繰り返し、「急に準備した場」だったと主張した。 すると郭前司令官は「そのようにまで言うのなら、今まで話せなかったことを言う。韓東勲の話は確実にした」とし、問題の証言をした。「これまでは言えなかったが、韓東勲と一部の政治家を名指ししながら『自分の前に連れてこい』『自分が銃で撃ってでも殺す』と話した」と言いながらだ。 郭前司令官は「これまで検察でもこの話はしなかった」とし「尹前大統領がそのように言わなければ私もこのようなことは言わなかった」と語った。郭前司令官のこうした証言を聞いた尹前大統領は苦笑しながら追加の質問はしなかった。尹前大統領側の弁護団は「韓前代表関連の郭前司令官主張は全く事実でない」とし「郭前司令官の陳述はこれまでも一貫性を欠いて発言が何度も変わってきた点からみても事実かどうか極めて疑問」と反論した。 この日、内乱特検は内乱重要任務従事容疑で秋慶鎬(チュ・ギョンホ)前国民の力院内代表に対する拘束令状を請求した。3大特検が始まって以降、現役国会議員に対する拘束令状請求は8月28日の金建希(キム・ゴンヒ)特検の権性東(クォン・ソンドン)国民の力議員に対する令状に続いて2人目となる。秋前院内代表は現役議員であり、今後、国会が逮捕同意案を可決すれば令状審査手続きが進行される。 朴志英(パク・ジヨン)特検補は「内乱重要任務従事容疑で秋前院内代表に対する拘束令状を請求した」とし「犯罪の重大さ、証拠隠滅の懸念などを考慮した」と令状請求の理由を説明した。秋前院内代表は尹錫悦前大統領らの指示を受けて昨年12月3日の戒厳宣言以降、議員総会場所を国会→党舎→国会→党舎と変えて所属議員の戒厳解除案の表決を妨害した容疑を受ける。 特検は先月30日、秋前院内代表の召喚調査で、戒厳宣言4日前の昨年11月29日に大統領官邸夕食会に出席した際に戒厳に関する話を聞いていないか追及し、秋前院内代表は「複数の議員が共にした夕食会で尹前大統領と単独で面談したこともなく、非常戒厳や非常権限のような話をする席でもなかった」と答えたという。