元兵庫県警刑事部長の棚瀬誠氏が4日、TBS系「ひるおび」(月~金曜午前10時25分)に生出演。人事異動がきっかけで未解決事件の犯人がみつかるケースがあると話した。 番組では、1999年に名古屋市西区のアパートで住人の主婦高羽奈美子さん(当時32)が殺害された事件で、殺人容疑で、同市港区のアルバイト安福久美子容疑者(69)が逮捕されたことを伝えた。 捜査本部は今年8月から安福容疑者に複数回事情聴取を重ね、DNA型鑑定試料の任意提出を求めていた。容疑者は拒否していたが、10月30日に応じ、数時間後に西署へ出頭。同31日に現場の血痕とDNA型が一致し、逮捕された。 安福容疑者は高羽さんの夫悟さん(69)と高校の同級生だったが、高羽さんとは面識がなかったとみられる。事件に使われた刃物は見つかっておらず、今月2日の自宅の家宅捜索でも発見されなかった。 棚田氏は「26年たった今でも逮捕できる。また容疑者はつかまるんだぞ、というメッセージに非常に重要だと思います」と述べた。これまでに捜査に当たった捜査員はのべ10万1000人が投入されていた。被害者の夫の高羽悟さん(69)は、昨年、赴任した刑事から「絶対、僕が来たから捕まえます。リストアップした女の中に絶対犯人がいる」と話されていたという。 MC恵俊彰から「10万人を超える捜査員というのはどうなんですか」と問われた棚田氏は「事件発生から26年間、時間がたてばたつほど、警察の捜査が長引いてるわけですけど、他方、関係者の取り調べや捜査という時間も相対的に長くなりますので、捜査する人間も相当程度増えていくと思います。未解決事件は10万人単位で取り調べをしたり、事情聴取をしたりするというのは当たり前です。10万人のという数自体はびっくりしません」と話した。 恵が「赴任した刑事さんが『絶対捕まえます』(と言ったことについて)、ここら辺はどう思います」と質問すると「人事異動の時期も当然ありますけれども、私も捜査をしておりました。捜査員みなが、絶対捕まえるという思いがあったんだと思います。新しい捜査員の目線で新しい着眼点で捜査するのは、未解決事件では犯人逮捕の糸口を見つけるという意味でも非常に重要なことですので、人事異動が功を奏するということもあります」と述べた。