銀行協会や市役所の職員をかたって高齢者から現金をだまし取ったとして、警視庁国際犯罪対策課は6日、特殊詐欺グループのトップ、高橋宗正容疑者(40)=東京都中央区晴海2=ら7人を詐欺や窃盗容疑などで逮捕したと発表した。2023年2月以降に埼玉県を中心に1都3県であった詐欺事件約500件(被害総額22億円)に関与していたとみている。 逮捕容疑は24年11月、埼玉県新座市の80代女性に「銀行協会職員」を名乗って電話をかけ、「あなたの口座から別口座への送金がある。新しいカードを作ってほしい」と言い、キャッシュカード4枚をだまし取り、勝手に現金400万円を引き出すなどしたとしている。警視庁は認否を明らかにしていない。 国際犯罪対策課によると、西新井署員が23年2月、足立区の路上でベトナム人男性2人に職務質問し、所持品から日本人名義のキャッシュカード18枚を発見。警視庁は2人を含む計29人を詐欺の「出し子」や「受け子」、現金回収役として逮捕した。 その後の捜査で通信アプリのやり取りを解析し、グループのトップとして高橋容疑者が浮上したという。詐取金の一部は暴力団に流れていたとみられる。【朝比奈由佳】