【ソウル時事】韓国の特別検察官は12日、情報機関、国家情報院(国情院)の前院長、趙太庸容疑者を職務放棄などの疑いで逮捕した。 尹錫悦前大統領=内乱首謀罪などで公判中=による2024年12月の「非常戒厳」宣言の計画を事前に把握しながら国会への報告を怠った疑いがある。 趙容疑者は外交官出身で、現在の保守系野党「国民の力」の国会議員を経て、尹政権発足後に駐米大使や大統領府国家安保室長を歴任。24年1月から今年6月まで国情院長を務めた。 韓国メディアによると、趙容疑者は容疑を否認している。戒厳宣言当時の国情院内部の監視カメラ映像を当時与党の国民の力側にのみ提供したとして政治関与を禁じる国情院法に違反した容疑なども持たれている。 聯合ニュースによれば、1999年の発足以来、院長経験者の逮捕は今回で8人目。国情院は国内の政治工作にも関わってきたとされ、政権交代のたびに捜査対象になる例が多い。