イェー(旧名カニエ・ウェスト)が、現地時間2025年11月29日に予定されているブラジル・サンパウロでの公演でナチズムを擁護するような発言をすれば、逮捕される可能性があると報じられている。 ブラジルのニュースサイトMetrópolesによると、サンパウロ州検察庁(MPSP)は、イェーが公演中にナチス賛美と受け取れる発言を行ったり、物議を醸した楽曲「Heil Hitler」を披露した場合、逮捕するよう命じたという。 11月10日にサンパウロ市長のリカルド・ヌネスは、「ナチズムを助長する者が、市の所有する公共設備を使って歌ったり演奏したりすることは許されません。私たちはそれを受け入れませんし、ナチズムを推進する者がサンパウロ市内で何らかの活動を行うことがないよう、あらゆる措置を講じます」と述べ、「ここサンパウロ市では、ナチズムを助長する人物によるイベントを市の施設で行うことは認めません」と続けた。米ビルボードは現在、イェーの広報担当者にコメントを求めている。 また、イェーの公演プロモーターであるギリェルメ・カヴァルカンチとジャン・ファブリシオ・ラモス(ファブラス・ファブズ)も、イェーがいかなる形であれナチズムを推進した場合には逮捕命令が出されると報じられている。 イェーとプロモーター側は現在、会場の再確保に奔走している。市当局はイェーの過去の反ユダヤ的発言を理由にインテルラゴス・サーキットで予定されていた公演を中止しており、10月に検察官アナ・ベアトリス・ペレイラ・デ・スーザ・フロンティーニが下した決定では、イェーがブラジル滞在中にナチス関連の象徴を服装に取り入れることも禁止されている。 このブラジル公演が実際に開催されるかどうかは、いまだ不透明だ。イェーは12月13日に南アフリカ、1月30日にはメキシコでの公演も控えている。 彼は今月初め、ラビのヨシヤフ・ヨセフ・ピント師と面会し、過去の発言について謝罪し、反ユダヤ的発言によってユダヤ人コミュニティに与えた苦痛への後悔を表明した。当時彼は、「こうして座って自分の行いに責任を持つ機会を与えられたことに、本当に感謝しています」とイェーはピント師に語り、「いろいろな問題を抱えていた時期でした。双極性障害もあり、自分の抱いた考えを周囲の人々や自分自身への配慮を欠いたまま発信してしまっていたのです。だからこそ、今こうして自分の責任をきちんと取りたいと思っています」と述べていた。