200万円の古民家が全焼、被害に支払われた額は7000万円超 相次いだ民家火災、保険調査のエキスパートによる「錬金術」の可能性

岐阜県飛騨市ののどかな山間部で2022年8月、古民家が全焼した。人は住んでおらず、当初、漏電などによる電気火災の可能性が高いとみられた。被害に対しては、火災共済金などとして7000万円超が支払われたという。 だが、火災の後始末に関わった業者には、気になる点があった。それは、家の購入者らの様子から感じられた。業者は振り返る。「(彼らは)警察の調査結果や、消防の見解を気にしていた」 古民家の購入額は約200万円。それに比べて、受け取ったとされる共済金は異様に高額にみえる。不可解なことが多い火災から浮かび上がってきたのは、元保険調査員による「錬金術」の可能性だ。(共同通信=黒崎寛子、樋口華) ▽「古い物件を探している」 飛騨市中心部から峠を越えると里山風景が広がる。その一画にある住宅に挟まれた敷地に、黒く焦げたバスタブや炭化した物が無造作に放置され、異様な雰囲気が漂う。ここで2022年8月4日未明、木造2階建ての古民家は激しく燃えた。

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