26歳公認会計士の交際相手をハサミで刺して死なせた女 被害者の脱毛症口実にDV支配 法廷から

同居していた交際相手の男性=当時(26)=の首をはさみで突き刺して死なせたとして、傷害致死罪に問われた佐藤琴美被告(26)の裁判員裁判。事故を主張する被告側に対し、東京地裁は今月、故意を認め、懲役12年の判決を言い渡した。公判で明かされたのは、脱毛症に悩む男性の弱みを利用して支配下に置くドメスティックバイオレンス(DV)ともいえる異様な関係性だった。 ■事故か故意か…傷は深さ6センチ 「すみません、けんかをしまして。血が出ています、首から」 令和6年9月16日午後7時ごろ、被告は男性の求めに応じ、こう119番通報した。男性の名前を呼び掛けながら心肺蘇生(そせい)を行ったが、男性は搬送先の病院で死亡。被告は殺人未遂容疑で現行犯逮捕され、その後傷害致死罪で起訴された。 同居するカップル間の刃傷沙汰という単純な構図のように思われたが、被告側は公判で、ハサミを持っていた被告と男性がもみ合いになり、いつの間にか刺さっていたと故意を否定。検察側は、刃の長さが約8センチのはさみでできた男性の致命傷の傷が約6センチもの深さだったことに注目し、「振り上げたハサミを下に向けて振り下ろした」と主張した。 ■ホストに入れ込み風俗に マチアプで出会い 被告人質問での被告の説明などによると、山口県出身の被告が上京したのは元年4月のこと。就職先はすぐに辞め、アルバイトを転々としながら暮らすかたわら、ホストクラブに入れ込んだ。借金をしながら多額の金を貢ぎ、4年夏ごろからはホストの提案で、派遣型風俗店で働くように。「(こんな生活は)やめなきゃいけないとずっと思っていた」。当時を振り返った。 そんな中の6年1月、マッチングアプリで出会ったのが公認会計士の国家資格を取得し、大手監査法人で働いていた被害男性だった。1カ月後には交際を開始し、ほどなく同居。4月に男性から、脱毛症を隠すためにウィッグ(かつら)を着けて生活していることを打ち明けられた。 「彼の髪については99%受け入れていた」と被告人質問で明かした被告だが、法廷で明かされたLINE(ライン)のやりとりからは、弱みを利用して操っていた様子が垣間見える。

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