暗号資産への投資を装う架空の事業で、会員の金がだまし取られていた事件で、収益の一部が暴力団関係者に流れていた疑いがあることが分かりました。 県警は「Genio」と称した、この事業で得られた金を犯罪の収益と知りながら受け取ったとして、富山市の暴力団組長などを逮捕し、事務所を捜索しました。 富山市内の暴力団事務所が入る建物。 盾を手にした警察官が警戒する物々しい雰囲気のなか… 「午後1時です。県警の捜査員が 暴力団事務所に家宅捜索に入ります」 組織犯罪処罰法違反の収受の疑いで逮捕されたのは、富山市の六代目山口組系暴力団「芳賀組」の組長で、富山市犬島に住む髙島力容疑者(58)です。 捜索に入ってからおよそ40分後、捜査員は押収品が入っているとみられる複数の段ボール箱を捜査車両に積み込みました。 捜索は石川県金沢市の暴力団事務所でも。髙島容疑者と金沢市の暴力団組員、英貴秀容疑者(55)など合わせて4人が逮捕されました。 こちらが架空の投資事業「Genio」の会員サイトです。 「AIで勝つ取り引きだけをする」などとうたい、会員から金を集めましたが、実際に取引はされていなかったとみられます。 この事件では、会員から金をだまし取った詐欺の疑いで富山市堀の会社役員、小沢淳被告(46)などこれまでに7人が逮捕されました。 そのうち3人は、無登録で勧誘したなどとして金融商品取引法違反の罪でも逮捕・起訴されています。 富山や東京・大阪などで9か月の間に数十回のセミナーを開いたほか、オンラインセミナーや勧誘動画でも客を集めたということです。 勧誘したのは540人、犯罪による収益は合わせて7600万円余りとみられ、、警察は匿名・流動型の犯罪グループ=「トクリュウ」による犯行とみて捜査してきました。 そして、この収益の一部が暴力団関係者に流れていたとみられます。 暴力団組長の髙島容疑者やトクリュウのメンバーなど4人は合わせておよそ1185万円を受け取った疑いです。 警察は小沢被告がこの4人と面識があるとみて捜査しています。 また警察は、小沢被告ら3人を収益を別の口座に移して隠すマネーロンダリングをした疑いで再逮捕しました。 警察は7人の認否を明らかにしていません。 今回の事件はトクリュウと暴力団がつながった組織犯罪とみて、さらに捜査しています。