「車検切れで自賠責保険未加入のヴォクシーに別車両のナンバープレートを取り付けてまで運転しようとした」極めて悪質と検察側が指摘 小学生を横断歩道ではね、高校生をひき逃げ、無免許運転…3度逮捕の無職の男(75)に懲役3年6か月求刑

小学生をはねる事故やひき逃げ、無免許運転などを短期間の間に繰り返し、3度逮捕されていた男の裁判で、検察は28日、懲役3年6か月を求刑しました。 鳥取県伯耆町上野の無職の男(75)は、今年3月31日、鳥取市内で横断歩道を渡っていた小学生を車ではねて大けがをさせ、その3日後の4月3日には安来市内で車を運転し自転車の高校生と衝突したのに救護などをせずにそのまま逃げ、さらにひと月後の5月7日から3回にわたり無免許運転していたとして、過失運転致傷や道路交通法違反などの罪に問われています。 被告は3月、4月、5月と続けざまに逮捕されていましたが、釈放された後に事故や違反を繰り返していました。 裁判は先月初公判が行われ、被告は起訴内容を認めました。 3月の事故で男の車にはねられた当時9歳の小学生は頭部に傷を負い、約2か月の間意識不明となっていて、先月の初公判で検察側は、被害者の小学生の家族が「左半身が麻痺して自分で起き上がることはできない、お金がないと自分のことしか考えない被告を許すことはできない」と話した内容などを証拠のひとつとして提出していました。 弁護側は被告人質問で、被告に多額の借金があり、車も任意保険に入っていなかったので年金生活では賠償が難しいこと。 4月のひき逃げは3月の事故の直後だったが事故をしなければ大丈夫だろうと安易に考えて運転し3月に続いてまた事故を起こしたことや車検切れの車だったことを隠そうと救護せず立ち去ったこと。 5月の無免許運転は被告が運転を続けるのをみかねた被告の息子が通報したことなどを明かしていました。 そして、28日の公判では、男がはねた児童の家族による心情意見陳述が被害者参加弁護士によって読み上げられました。 「息子は意識が戻り、右手で文字盤を指し簡単な会話はできる状態だが発音はできず、左には麻痺が残っていている。歩くこともできず、ゲームもできず、食事はチューブでとっていて、これまでの生活が失われ、できないことが多くなった。 息子は9歳、リハビリを頑張っているが、将来どこまでのことが自由にできるか見通しが立たず不安。 被告に対しては、釈放後に自由勝手に車に乗る神経が分からない。 初公判は口先だけの謝罪にしか思えず、むなしい気持ちが残っている。」

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