容疑者、飲料の販売装い訪問 警戒心解く工作か 名古屋主婦殺害

1999年、名古屋市西区の自宅アパートで高羽奈美子さん(当時32歳)が殺害された事件で、殺人容疑で逮捕された同市港区のアルバイト、安福久美子容疑者(69)が、飲料の訪問販売を装ってアパートを訪れて、高羽さんを襲ったとみられることが捜査関係者への取材で判明した。 愛知県警は安福容疑者が、面識のなかった高羽さんに警戒心を抱かれないように工作したとみて調べている。 捜査関係者によると、安福容疑者は試飲を勧めて高羽さんにドアを開けさせ、持参した刃物で襲ったとみられる。 高羽さんは玄関奥の廊下と居間の間で、首を刺された状態で倒れていた。居間には当時2歳だった長男の航平さんがいたが、無事だった。 アパートには試飲を勧められたとみられる飲料があったものの、高羽さん家族には飲む習慣がなかったことから、県警は重要な物証の一つとして調べていた。 部屋の机には、むきかけのみかんや食べかけのカップ麺があり、高羽さんは来客を予期していなかったとみられる。 安福容疑者は「使った凶器は処分した。事件の際に手にけがをした」との趣旨の供述をしていた。医療機関は受診せず、自身の関与の発覚を避けるため、自宅で止血などの処置をした可能性があるという。 県警は10月31日、高羽さんの首を刃物で複数回刺して、失血死させたとする殺人容疑で安福容疑者を逮捕。名古屋地検は11月14日から、刑事責任能力の有無などを調べるため、鑑定留置を実施している。【丘絢太、塚本紘平】

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