茨城県古河市の介護老人保健施設で2020年、男性入所者2人を殺害したとして、殺人などの罪に問われた元職員赤間恵美被告(39)の裁判員裁判初公判が10日、水戸地裁で開かれる。26年7月の判決を含め計60回の期日を予定。黙秘していたとされる被告が法廷で何を語るのか注目される。直接的な証拠も乏しいとされ、検察側がどう立証するかも焦点だ。 起訴状によると、老健施設「けやきの舎」で20年5月30日、鈴木喜作さん=当時(84)=に、20年7月6日には吉田節次さん=当時(76)=に点滴用チューブにつないだシリンジ(注射筒)で空気を注入し、空気塞栓症による急性循環不全にして殺害したとしている。殺人容疑での逮捕は21年12月だった。 2人の死亡はシリンジで空気を注入されたことに起因するのか―。公判では医学的な客観証拠に加えて、同僚の目撃証言への信用性が評価される見通しだ。検察側は、関係者の証言など状況証拠を積み上げて立証するとみられる。