インド沿岸部ゴア州の人気ナイトクラブで6日深夜、火災が発生し、現地当局は25人が死亡したと発表した。 火災はナイトクラブ「バーチ」で起きた。警察は当初、調理場にあったガスボンベが爆発したとみていたが、ゴア州首相は7日、それを否定。室内での花火が原因とみられると述べた。 このナイトクラブは、人気の高いビーチの近くにある。火災発生時は、ボリウッドのDJを聴きに来た客で混雑していた。 警察は、デリーから訪れた家族4人と、スタッフ21人が死亡したと発表した。 火災をめぐり、ナイトクラブのマネージャーら4人が逮捕された。オーナーにも逮捕状が出されている。 ゴア州はアラビア海に面した旧ポルトガル植民地で、ナイトライフ、砂浜、リゾートを目当てに毎年、何百万人もの観光客が訪れる。政府の統計では、今年上半期に同州を訪れた観光客は約550万人で、うち約27万人が外国からとされる。 火災を目撃した人はBBCに、ナイトクラブの外で6日夜、悲鳴を聞いたと話した。それまでは通常の土曜夜と同じく、観光客らが楽しんでいたという。 「最初は何が起こっているのか理解できなかった」、「少しすると、大規模な火災が発生したことがはっきりした。恐ろしい光景だった」。 ナイトクラブは、メインの入り口は広いが、小さな湖の上を通って主な建物へと続く道は狭く、消防隊の現場到着を難しくした。 BBCは、ナイトクラブの一角に、溶けたいすやテーブルとみられるものや、植物が残っているのを見た。 ゴア州のプラモド・サワント州首相は、3人がやけどで死亡し、他の人々はほとんどが窒息死したと記者団に話した。また、6人が病院に運ばれ、容体は安定しているとした。 当局によると、死亡したスタッフは国内のさまざまな州の出身で、1人はネパール出身だという。 サワント氏は、火災の原因調査が開始されており、1週間以内に完全な報告書が発表されると説明。「責任があると判断された人々は、法の下で最も厳しい処分を受ける」述べた。 インドのナレンドラ・モディ首相は、ソーシャルメディアへの投稿で、今回の火災を「非常に悲しい」と述べた。 一部の野党議員らはBBCに、このような悲劇を避けるため、もっと厳しい規制が必要だと話した。また、新しいクラブがあまりにも次々とオープンしているとし、政府には客の安全を確実にする必要があると主張した。 インドでは近年、娯楽施設の火災で死者を出す事案が続発している。 今年5月には、南部のハイデラバードで3階建てのビルが燃え17人が死亡した。その1カ月前には、北東部コルカタのホテル火災で15人が死亡した。 昨年には、西部グジャラート州の遊園地のアーケードで火災があり、24人が死亡した。公式調査では、安全基準が十分に満たされていなかったことが多くの死者を出した一因とされた。 (英語記事 Nightclub fire in India's Goa kills 25 staff and tourists)