10月、自民党と日本維新の会は、2026年の通常国会で「国旗損壊罪」――正式には「日本国国章損壊罪」――を制定する法案を提出する方針を明らかにした。また、参政党は単独で11月27日、「日本国国章損壊罪」の新設を盛り込んだ刑法改正案を参議院に提出した。 参政党案では、日本の国旗を侮辱する目的で損壊・除去または汚損した場合、2年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金を科すという内容となっている。 こうした動きは2012年にも、また2020年の暮れから2021年の1月にもあった。2012年には国会に提出された上で、廃案となっている。今回すでに明らかになっている参政党提出法案の骨子は、これらの過去の議論と大筋で同趣旨である。自民・維新提出予定の法案も大筋で同じものと考えられる。 これらの法案が、現在の内容のままで法制化されれば、憲法への抵触を免れない。(本文:志田陽子(憲法学者))