【ソウル聯合ニュース】韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)前政権から見返りを受ける目的で尹氏の妻、金建希(キム・ゴンヒ)被告に金品を贈ったなどとして政治資金法違反の罪などに問われた世界平和統一家庭連合(旧統一教会)総裁、韓鶴子(ハン・ハクチャ)被告の公判が16日、ソウル中央地裁であり、教団の「世界本部長」を務めた元幹部、ユン・ヨンホ被告が証人として出廷した。教団は2022年の大統領選を前に「朝鮮半島平和サミット」を開催したが、与野党の大統領選候補だった尹前大統領と李在明(イ・ジェミョン)大統領の双方から出席を希望する連絡があったと証言した。 ユン被告は、第1次トランプ米政権の副大統領だったマイク・ペンス氏が行事で演説することを聞きつけた尹錫悦氏側と李在明氏側の双方から連絡が来たとし、尹氏側は出席するとし、李氏側は当日は済州島にいるためオンラインで参加したいと伝えたという。 さらに李氏側はペンス氏との対談を希望し、李氏陣営の2人を紹介されたと述べた。 そのうえでユン被告は特定の政党に限定して政治家に接触したのではないとするこれまでの主張を繰り返した。 当時、最大野党「国民の力」の大統領選候補だった尹氏は、行事当日、ソウル市内のホテルでペンス氏と対談した。 韓被告は今年9月に逮捕され、10月10日に起訴された。起訴状などによると、韓被告はユン被告と共謀し、2022年1月に尹氏の側近の1人で国民の力の重鎮議員、権性東(クォン・ソンドン)被告に違法な政治資金1億ウォン(約1050万円)を渡して教団への支援を求めた政治資金法違反の罪のほか、同年7月ごろに高級ブランドバッグなどを呪術師のチョン・ソンベ被告(逮捕・起訴済み)を通じて金被告に贈り、教団の事業で便宜を図るよう要請した請託禁止法違反の罪、同年10月に自身の海外賭博疑惑に関する警察の捜査に備え幹部らに証拠隠滅を指示した証拠隠滅教唆の罪などに問われている。