『不信』県民の信頼を揺るがす事件・事故 キーワードで振り返る2025 秋田

2025年の秋田県の出来事をキーワードで振り返る企画。今回のテーマは『不信』です。風車のブレード落下事故や県職員が絡む贈収賄事件など、県民の信頼を揺るがす出来事をまとめました。 ◇東北新幹線 走行中に分離◇ 3月、信じがたい事態に多くの人が振り回されました。 東北新幹線のはやぶさ・こまち21号が走行中に連結が外れ、東京・西日暮里駅付近で緊急停車しました。乗客約650人にけがはありませんでしたが、新幹線の連結運転は約1週間中止され、秋田新幹線は秋田ー盛岡間での折り返し運転を余儀なくされました。 東北新幹線は2024年9月にも連結部分が外れるトラブルが起きていて、安全運行の徹底が求められます。 ◇男鹿市の下水道管工事現場で3人死亡◇ 同じく3月、男鹿市の下水道管の補修工事の現場で、男性作業員3人がマンホール内で倒れ、まもなく亡くなりました。 事故を受けて県は、再発防止策を検討する委員会を設置。その結果、汚水をくみ上げる管から酸素濃度の低い空気が漏れた可能性による酸素欠乏と、硫化水素の発生が起きたことが事故につながったと結論付けました。 秋田でも起きてしまった「地下インフラ」での事故。二度と同じような事故が起きないよう徹底した対策が求められます。 ◇秋田市で風力発電用風車のブレード落下◇ 5月、前代未聞の事故がありました。秋田市新屋海浜公園で風力発電の風車のブレードが落下する事故が起きました。落下したブレードの近くには81歳の男性が倒れていて、搬送先の病院で死亡しました。 事故から7カ月以上がたちましたが、風車の支柱は残ったままとなっています。 近隣住民などは「どうせなら全部取ってしまえばいいのに」「そういうのがあるというのは少し怖さもある」などと話しています。 警察は、事故と男性の死亡との因果関係を調べていますが、いまだに分かっていません。 安全が大前提の風力発電。先進県・秋田の今後の対応が注目されています。 ◇またも県職員が絡む贈収賄事件◇ 2024年に続き、またも県職員が絡む贈収賄事件です。 4月、県発注の道路補修工事を巡り、元県建設政策課の男と業者の男ら3人が逮捕されました。元県職員の男は2022年、工事で設置する柵を金属製から業者が扱う木製に変更させるなどして、見返りに300万円を受け取っていました。 裁判では、元県職員の男が受け取った金をスナックの女性へのプレゼントや飲食代などに使っていたことが明らかになり、男は懲役2年6カ月、執行猶予4年の有罪判決を受けました。 ◇鹿角市の前市長・市議がパワハラ行為◇ 鹿角市の関厚前市長が、自身のパワハラ問題で議会に不信任を突き付けられ、失職しました。 関前市長は、職員に対し「退職金をなくしてやる」「懲戒解雇だ」などと発言し、市議会は3月に市長への2度目の不信任決議案を可決。関前市長は失職し、出直し市長選でも次点に終わりました。 パワハラ行為は市議会議員も行っていました。 現在4期目の舘花一仁議員は、除雪をめぐり、担当する職員2人に「ふざけるな」などと高圧的な態度で迫っていました。 パワハラが相次いだ鹿角市。2026年は汚名返上となる明るいニュースを期待したいものです。 ◇雄物川高男子バレー部前監督 部員への暴力などで懲戒免職◇ こちらはパワハラどころではなく、暴力行為に及んでいました。 バレーボールの名門、雄物川高校男子バレーボール部の宇佐美大輔前監督(46)が、複数の部員に暴力を振るったり暴言を吐いたりしていたことが発覚しました。 宇佐美前監督は雄物川高校のOBで、監督就任11年目。現役時代は日本代表のセッターとして活躍し、2008年の北京オリンピックにも出場していました。 県教育委員会は11月7日付で懲戒免職処分としました。 ◇特殊詐欺後絶たず 被害額は初の10億円台に◇ そして2025年、ほぼ毎日のようにニュースになっていたのが詐欺被害です。 警察によりますと、2025年の県内の詐欺被害額は、11月末時点で初めて10億円の大台に乗り、統計開始以降最悪となっています。 10月中旬には秋田市の60代男性が、電話で検事を名乗る相手から「あなた名義のキャッシュカードが資金洗浄に利用されている」などと言われ、犯罪に無関係であることを証明するために現金を振り込み、1億2000万円をだまし取られました。2025年最悪の被害額です。 社会を揺るがす信じがたい出来事が相次いだ2025年。2026年はどんな1年が待っているのか。2025年の教訓が少しでも生きる穏やかな年を期待したいものです。

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