大阪高検「共謀認めず」 プレサンス取り調べ、元主任検事を不起訴

大阪地検特捜部が捜査し、不動産会社元社長の無罪が確定した事件を巡り、捜査での取り調べに関して特別公務員暴行陵虐の疑いで刑事告発されていた特捜部の元主任検事(53)について、大阪高検は24日、不起訴処分(容疑なし)にした。元主任検事は別の検事と共謀して威圧的な取り調べをしたとされていたが、高検は「共謀した事実は認められない」としている。 「プレサンスコーポレーション」(大阪市)の社長だった山岸忍氏(62)が2024年に告発していた。山岸氏は学校法人の土地取引を巡る業務上横領事件に関わったとして19年に逮捕されたが、21年に無罪判決が確定していた。 事件では田渕大輔検事(53)が、山岸氏の元部下への取り調べで、机をたたいたり、「検察なめんなよ」と怒鳴りつけたりしたとされ、特別公務員暴行陵虐罪で刑事裁判を受けることが決まっている。高検の畑中良彦・次席検事は不起訴の理由について「田渕検事が机をたたいたり、怒鳴りつけたりする行為に及ぶことを元主任検事が指示・容認した事実はない」と説明した。 元主任検事は、捜査を慎重に検討することなく山岸氏を逮捕・起訴したとする特別公務員職権乱用容疑と、事件の国賠訴訟でうその証言をしたとして偽証容疑でも告発・告訴されていた。畑中次席検事はこれらも容疑なしで不起訴にしたとし、「無罪だからただちに逮捕・起訴が違法となるわけではない。逮捕の要件は満たしており、証拠から容疑が認められた」「元主任検事が記憶に反する証言をしたとは認められない」と述べた。 山岸氏は「検察組織を守るための仲間びいきの決定だ。容疑なしである具体的な説明がなく、非常識に感じる」とコメントした。【飯塚りりん】

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