大阪地検特捜部に逮捕・起訴され、その後無罪判決が確定した不動産会社の元社長・山岸忍さん(62)が、捜査を担当した当時の主任検事について裁判所に刑事裁判を開くよう求める「付審判請求」をしました。 山岸さんは大阪市にある学校法人の土地取引を巡り、21億円を横領した事件の共犯として、2019年に大阪地検特捜部に逮捕・起訴され、その後無罪が確定しています。 山岸さんは、元部下に対し田渕大輔検事が「あなたはプレサンスを貶めた大罪人ですよ」などと長時間罵倒する違法な取り調べで山岸さんとの共謀を認める供述をさせたことを認識しながら、山岸さんを逮捕・起訴したなどとして、当時の主任検事に対し特別公務員職権濫用容疑などで告訴・告発をし、大阪高検は24日いずれも「嫌疑無し」で不起訴処分としました。 山岸さんは検察の不起訴処分を不服として26日、大阪地裁に主任検事の刑事裁判を開くよう求める「付審判請求」をしました。 (秋田真志・弁護士)「こういう違法な取り調べを容認して維持しようとする状況にある、そういう検察庁の体質そのものが問われている」 この事件を巡っては、取り調べを担当した田渕検事について、特別公務員暴行陵虐罪で刑事裁判が開かれることが決まっています。