被害総額が28億円以上に上るとみられる高級腕時計のシェアリングサービス「トケマッチ」の元代表が、26日、逃亡先のドバイから帰国し、詐欺の疑いで逮捕されました。 ■被害額28億円超か 黒いシャツに白い短パン、茶色のブランケットを羽織って歩く男。記者団の近くに来ると何度も頭を下げながら、背中を丸めて歩きます。首にはシルバーのネックレスも…。 26日、詐欺の疑いで逮捕されたのは、高級腕時計のシェアリングサービス「トケマッチ」の元代表・福原敬済容疑者（44）です。 「トケマッチ」HPから 「高級ブランド時計を月額制でレンタル。売却するより実利的なシェアリングエコノミー」 「トケマッチ」は、高級腕時計をオーナーから預かり、その時計を貸し出すというサービス。 時計がレンタルされたかどうかにかかわらず、オーナーには手数料として月額預託料が振り込まれるシステムです。 しかし去年1月…。 運営会社ネオリバースHPから 「トケマッチはサービスを終了しました」 所有者に腕時計を返却しないまま、突然解散を発表しました。 元代表の福原容疑者は2023年の8月から2カ月間、都内に住む男性から預かった高級腕時計15本、およそ1800万円をだまし取った疑いが持たれています。 また、逮捕の容疑以外にも被害届は45都道府県で受理され、被害総額は高級腕時計およそ1700本分、28億円以上に上っています。 ■トケマッチ元代表 風貌一変 26日の様子を、トケマッチを運営する会社のHPに掲載されていた福原容疑者の写真と比べると、髪は丸刈りに、口元にはひげが生え、頬は若干こけているように感じます。 6年ほど前、福原容疑者と高級腕時計を巡りトラブルになった男性はこう話しました。 「当時は、どっちかというとチャラ男系の感じはしました。そんな派手さはなかったけど、なんか軽い男だなという気はした。だいぶ雰囲気違うなという印象」 警視庁によると出国直前、福原容疑者は複数の都府県で預かった腕時計を集中して売りさばき、会社をたたみました。 その日のうちにドバイに向けて出国しています。そのままパスポートは失効し、2024年4月、外務省から旅券返納命令が出された後、国際手配されていました。 ■ドバイ逃亡 なぜ？ なぜドバイを逃亡先に選んだのでしょうか？ドバイのビジネス事情に詳しい人は、パスポートをカネで買うことができるといいます。 「（Q.ドバイと聞くと？）みんな何かあったら、ドバイ、ドバイ、ドバイというのはある」 「（Q.周りでもドバイに飛んだ人はいた？）2、3人はいますよ。そこからもう行方不明になって、連絡も僕も取らない。そういうのは何人かいます。3000万から1億円の間でパスポートは買える。僕も今（勧誘が）来ていますからね。僕の場合は3000万円で全部買えると」 「（Q.（パスポートを）変えますか？）変えないです、やるわけないじゃないですか」 福原容疑者の逃亡期間は1年半以上。警視庁によると、一部の資金は暗号資産を購入したり、オンラインカジノの口座に入金したりしていたということです。 また、元従業員の中山大志容疑者（44）も27日、詐欺の疑いで逮捕されています。 （「グッド！モーニング」2025年12月27日放送分より）