教職員の不祥事防止へ「3視点」で提言 有識者会議、8月めどに提出

教職員の不祥事防止へ「3視点」で提言 有識者会議、8月めどに提出
山形新聞 2015年7月7日(火)13時57分配信

 教職員の不祥事防止策を練る有識者会議(座長・高倉新喜山形大教授)の第3回会合が6日、県庁で開かれ、3つの視点を課題解決の柱とした提言をまとめた。教職員の多忙化解消やコミュニケーションの強化などを盛り込んでおり、8月をめどに県教育委員会に提出する。

 現場の校長や教員の意見を参考にした内容で、視点の一つとして、「教職員一人一人の心構え」を挙げた。具体的には、教諭になって10年までは課せられている教員研修をそれ以降も継続する必要性を強調。ここ数年の40代以上の懲戒処分件数が、20〜30代を上回っている現状を踏まえた。ほかに校長は、教職員それぞれの理解に努めた上で、心に響く指導を行うことを求めている。

 二つ目の視点に「同僚性・職場の連帯」をポイントとした。年代を問わず語り合える機会の設定、職務上の困難性を感じたときに相談できる体制づくりなどを鍵としている。三つ目は「教職員のストレス」についてで、例えば部活動の指導に絡む多忙化を解消するため、県内全体で活動しない日をつくるなど、適正な部活動の在り方を考えるべきだとしている。

 会議は昨年12月に山形市中心部で発生した死亡ひき逃げ事件などを受け、今年2月に県教委が設置した。大学教授ら7人が委員を務めており、この日は今後求められる対応などについてあらためて意見交換した。高倉教授は「不祥事防止に特効薬はない。これまでの各種取り組みを見直し、地道に徹底してほしい」と語った。

 県教委は提言の内容を来年度の施策に反映させる計画。会議では「実効性ある取り組みを考えていきたい」と説明した。

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