「カンボジア・スキャム」プリンス・グループトップの陳志氏を逮捕、中国に引き渡し

カンボジア内務省は、カンボジアで史上最大規模の投資詐欺を行ってきたとされるプリンス・グループ(太子集団)の実質的トップ、陳志氏(39)を6日に逮捕し、7日に中国に引き渡したと発表した。 陳志氏の犯罪行為は、昨年10月に米国司法当局が公表した起訴状で詳細に記されている。米検察は起訴状の中で、中国でロマンス詐欺を指す呼称として「豚の屠殺詐欺(pig butchering scams)」という表現を用いた。 漢字では「殺豬盤」と表記されるこのロマンス詐欺は、詐欺師が標的とする被害者を豚(豬)、金をだまし取る行為を屠殺(殺)、詐欺全体の計画を皿(盤)になぞらえたことに由来する。犯罪組織は、被害者を丹念に育てて太らせた豚に見立てている。「豚の屠殺詐欺」は、SNSを通じて接触した後、十分に信頼関係を築き、少額投資と偽の利益で信用させたうえで、巨額を投資させた段階で金を持ち逃げする手口だ。 起訴状によると、陳志氏の不正資金の一部は、プリンス・グループ傘下のカジノおよび暗号資産マイニングカンパニーを通じて資金洗浄された後、高級腕時計やヨット、プライベートジェット、別荘の購入、さらにはニューヨークでピカソの絵画を競売で落札する資金にも充てられた。昨年10月にカンボジアで発生した20代の韓国人大学生拷問死亡事件の背後に、陳志氏が関与しているとの指摘も出ている。プリンス・グループの資金洗浄は、韓国、香港、台湾、シンガポールなど世界各地に及んでいた。昨年11月、香港警察は国際通信詐欺および資金洗浄に関与した疑いで、プリンス・グループの資産27億5000万香港ドル(約552億円)を凍結した。 陳志氏は1987年、中国南東部の福建省で生まれた。2000年前後に学校を中退し、オンラインゲームやハッカー組織、ウェブサイトのハッキングに関与するようになった。2014年にカンボジアへ移住し、2015年にプリンス・グループを設立して理事長に就任した。不動産、金融投資、ギャンブル産業に携わり、カンボジアへの投資額は累計20億ドル(約3120億円)を超えた。カンボジア政府は陳志氏に「公爵(duke)」の称号を授与し、フン・セン前首相(74)の顧問にも任命した。高位の政府関係者と親交を築き、政府や政策に影響を及ぼす企業家として知られた。

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